mixiユーザー(id:10212320)

2011年08月21日19:44

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青騎士@山口

山口は大雨だったらしい。
JRは30分程度、時刻が乱れてるし、
美祢線では代行バスが出動していた。

といっても僕は雨に遭うことも無く、
自分の身には何も起きてないけど、まわりに不穏な空気がただよう、
どっか近くで何かが起きてるんだが、実感が全然無い、
というような、はがゆいような奇妙な一日だった。

カンディンスキーを観に来たわけだが、
「青騎士」時代(第一次大戦前)の彼の絵って不器用で、
後年の洗練とは雲泥の違いがあるんだが、
その不器用な混沌ぶりが、ときどき魅力的に見えることもある。

意外だったのは、初期の(普通の)風景画が多数来てたことだった。
カンディンスキーは基本、風景画家なんだ。(なんか納得)
ヴラマンクとかの塗り方を思い出すんだけど、名前をまちがえてるかも・・
1910年頃の塗り方。

それが1911年に走りはじめる。
きちんとした風景ではなく、ちらっと見た残像のような風景。
形が輪郭を無くし、色の海に溺れて行く。
この1911年の変化の疾走感は、すてきだった。

13年のいくつかの抽象画、
やはりところどころ、風景の残りかす、
風景らしきものが、アリバイのように存在している。

展覧会の最後の品は13年「コンポジション」習作。
この絵で初めて、風景・実在物が認識できなくなる。
(僕にとっては、という話だ。
 でも画家にとってはどうなんだろ?
 これは山であったり、道であったりするのかも)

この絵はとても醜い。
混濁した色、グズグズな形。
今回の展覧会中、一番ひどい作品だ。
ときどきこんなきたない冒険に惹かれる自分もいる。

遠くの雨、遠くの青騎士、
何かが起き、何かが起きたんだけど、
微妙に、実感の薄い日だった。
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