よく考えたらあまり衝撃的じゃないかもしれないけど。。。。。
荘さんに肉身菩薩の話をした。
そしたら「ああ、あそこは国民党の寺だよ」
荘さんのお話をもとに調べてみたら、台湾の即身仏の実態が分かってきた。
たぶん次のようなことだと考えている。
太平洋戦争の時まで、台湾は日本の植民地だった。
戦争が終わって今度は中国の内戦が始まった。
毛沢東の共産党と蒋介石の国民党の争いだ。
その結果、国民党は負けて台湾へ逃げてきた。
国民党は台湾を支配するにあたって、反日政策をすすめた。
野蛮な日本人を追い出したのはオレたちだ、日本人は敵だ、台湾は日本と闘うんだ!
でも国民党は、もともと住んでいた台湾人を強圧的に支配した。
言論集会などの自由はない。
台湾人たちは「こんなことなら日本支配の時代のほうがよかった」と考える。
だから台湾は世界でいちばん親日的な国になった。
慈航大師の肉身菩薩や紀念館も、そういう政治的な意図があって作られた。
日本の圧政と戦った偉大な僧侶。
だけど本当は国民党の工作員か何かだったらしい。
その慈航さんが死んで肉身菩薩にされて、反日の宣伝に使われた。
立派な建物や運営費は、国民党支持の金持ちや国家予算から出されたそうだ。
だからあんなに気前がよかったのか。
言葉もわからない、一見の参拝者にお茶やお菓子を無料で振る舞う。
バックには反共産主義、反日本の強烈なイデオロギーが隠れていたのだ。
日本の即身仏も、当時の宗教間の争いや体制批判から生まれたという説がある。
ミイラは乾燥して干からびているけど、なんだか生臭い背景があるものだ。
ところで、慈航紀念堂で尋ねてみた。
「台湾に肉身菩薩はここだけなのか?」
意外な答えが帰ってきた。
「他にもたくさんあります。」
いくつかの地名を紹介された。
ホテルに帰ってネットで調べる。
手頃なところにもうひとつあるのを発見。
翌日行ってみた。
本当はこのへんで(続く)になるけど、明日からまた遠出をする。
だから長くなるけど一気に書く。
4月15日(金)
地下鉄に乗って終点の「新店」という駅まで行く。
台北市の郊外だ。
ここから歩いてすぐ近くに肉身菩薩さんがいる。
駅の周辺地図を見たら、お寺が載っていた。
海蔵寺というところ。
大きな川の吊り橋を渡る。
それなりに行楽地になっているらしい。
向こう岸の街の雑居ビルのような建物が海蔵寺だった。
建物に入ると本堂があった。
尼さんか信者さんたちがお経を上げている。
本尊の観音像の隣にそれらしいものがある。
「清厳肉身菩薩法相」と書いてある。
間違いない。
尼さんに呼び寄せられて「そこに座れ」と言われた。
お経の本を持ってきてくれて「一緒に唱和しなさい」とのこと。
文字だけ追えば、なんとなく意味が分かった。
なかなか貴重な経験をした。
読経が終わった。
みんな部屋から出ていった。
ゆっくりと肉身菩薩を観察する。
ここのお方も金ピカだ。
顔も人形のように作ってある。
でも姿勢が不自然に猫背になっている。
やはりミイラをベースにしているのだ。
帰りがけにお供え物のペットボトル入りミネラルウォーターを貰ってしまった。
台湾はどこのお寺も気前がいいなあ。
日本に帰って調べてみた。
台湾国内には少なくとも6体の肉身菩薩さんがいる。
もういちど台湾に行かねば。
ということで台湾旅行記は終わり。
次は新潟旅行記をお楽しみに。
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