3月26日〜27日は奈良へ行ってきた。
ひさしぶりに遠出した。
奈良に着いてから市内を抜けて、あやめ池へ行った。
池の畔に古い洋館が建っている。
「東洋民俗博物館」だ。
名前は立派だけど、個人所有の小さな建物。
「見学の方は隣の家の呼び鈴を押してください」
なんて書いてある。
隣は普通の住宅だ。
ピンポンするとおじさんが出てきた。
今日はなにか用事があるらしい。
簡単な説明でいいから、と言うと博物館の鍵を開けてくれた。
玄関を入ると、左右に小さな展示室が二つあった。
木製の古びた棚に、いろんなお宝が陳列してある。
この建物や設備は昭和3年に作られたそうだ。
古く懐かしい香りがする。
まず目に飛び込んできたのは壁にかけられた絵馬。
おじさんが指さして
「これなんか珍しいでしょ?離婚祈願の絵馬です」
男女が背を向けた絵が書いてある。
まあこれだけでもかなり楽しいんだけど、館内には雑然と珍品が並んでいた。
ガンジス河の砂。
インド少女の貞操帯。
鮫の歯で作った大刀。
中国の纏足の靴。
江戸時代の望遠鏡。
明治時代の巡査の礼装帽。
戦国時代の武将の兜。
パラオの石貨。持ち上げてみたけどけっこう重かった
キリシタン弾圧の踏み絵。
大型のサルノコシカケ。
極楽鳥の剥製。
牛の陰茎で作った杖。
ヒロシマ原爆で変形したガラス瓶。
ペルーのミイラのおちんちん。(ミイラ1体を持って帰るのが大変だったから、大事なところだけ切り取ってきた)
そのほか、海外や日本の古民具や玩具、化石など。
これらを集めたのは九十九豊勝という人。
案内してくれたおじさんのお父さんだそうだ。
在野の博物学者で、ちゃんと博士号も持っていた。
1998年に104歳で死ぬまで、自分の興味の赴くままにいろんな蒐集をした。
さらにこの人は性の研究家として有名だったそうだ。
「もっと秘密のコレクションがあります。カメラはご遠慮下さいね」
ということで、奥の部屋に案内された。
「おやじの生前の書斎です」
またしても雑然とした本がぎっしりと並んでいた。
いかにも博物学者らしい感じの部屋だった。
いろんな有名人と知り合いだったらしく、手紙や写真も残っていた。
さらにその奥に、性の部屋があった。
書棚いっぱいに猥褻本が並んでいる。
戦前戦後の発売禁止になった本のコレクションだ。
エッチな民芸品もあった。
ちょっといやらしい絵画や写真もあった。
圧巻なのは陰毛のスクラップブックだ。
3000人の女性のヘアーを数本ずつ集めたそうだ。
アルバムにファイルされて、名前や年齢などがローマ字で書かれている。
どうやってこんなの収集したんだろう??
「今日はこのぐらいで。まだ他にも珍しいものがあります。また来てください!」
忙しいところ、突然押しかけてしまった。
おじさんどうもありがとう。
ネットで調べてみたら、秘密の奥の部屋へは誰でも案内しているわけじゃないようだ。
わたしがスケベな顔をしていたから見せてくれたのか??
でも貴重なものを拝見できてよかった。
ほかにも珍しい発売禁止写真とか、皇室で使われた性教育の教材とか凄いものがあるそうだ。
ぜひまた行かなければ。
さらに次の博物館もマニアックだったけど、続きはまた。
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