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2010年12月05日23:54

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京都の即身仏

土日で関西へ行ってきた。

京都大原に即身仏さんがいる。
ここのはかなり特殊だ。
まず関西で唯一の即身仏で、日本でいちばん西にいらっしゃる。
ただひとり愛知県出身の人だ。

そして最後に、ここの即身仏さんは石棺の中に入っていて直接見ることができない。
明治15年に一度発掘された。
ミイラ化しているのを確認して、また棺に入れて密封してしまった。

惜しいことだ。
いまからでも遅くないから、もう一度発掘して一般公開すればいいのに。
そしたらかなり評判になって、近所にある大原三千院よりたくさん観光客が来るぞ。

ということで4日(土)の午前11時ごろ、比良の山を越えてお寺に着いた。
滋賀県境に近い静かな山の中にある。
お寺の名前は「古知谷阿弥陀寺」。
紅葉でも有名なところらしいけど、ちょっと季節が遅かった。
だからほかの観光客はほんの僅か。

ゆっくり拝観することができた。
さすが京都のお寺だ。
お庭や本堂も立派で趣がある。
廊下に座り込んで景色を眺めた。
落ち葉の絨毯が真っ赤だった。

即身仏さんは、奥のほうにいた。
建物の後ろが岩壁になっている。
その壁に一部屋ほどの穴が削ってある。
穴の真ん中に幅1メートル、高さ2メートルほどの石堂がある。
即身仏さんはその中に安置されているそうだ。
本堂の建物がその穴に続いていた。
建物の中から直接拝んだり、穴の中に入っていったりもできる。

備え付けのスリッパを履いて人口洞窟に入ってみた。
地下水がしみ出している。
湿気の多いところだ。
これではせっかくのミイラ化した屍体が白骨になっているかもしれない。
罰当たりなことだ。
本人がミイラ化することを望んだのだったら、しっかり防腐処置をするべきじゃないか。

石堂は岩壁から少し離れて置いてあった。
だからぐるりと一周することができた。
お戒壇巡りのような気分だった。
姿は確認できないけど、即身仏さんの身体を感じることができたような気がする。

それでも姿が見えないというのは不思議な感じだ。
もどかしいけど、幻想的な雰囲気もあるし、いろんな想像を掻き立てられる。

ZARDとかデビュー当時の宇多田ヒカルや倉木麻衣を思い出させる。
彼女らが人気が出たのも姿が見えなかったから。
だから、こういう即身仏が日本にひとつぐらいあってもいいかも。

ところで、空海・弘法大師もミイラ化しているといわれている。
お墓は密閉されていて、即身仏になっているとのこと。
でも最近の研究では、空海はちゃんと埋葬されていて、お墓の中は空っぽらしい。
そうすると空海の場合は「バーチャルアイドル・芳賀ゆい」のようなものだな。
などと、おじさんやおばさんにしか分からないような事を考えながら、お寺を出た。

わたしが去ると、お寺に参拝客は誰もいなくなった。


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