mixiユーザー(id:614168)

2010年10月18日23:55

30 view

ベースキャンプへの道

4日間かけてシムシャール村からベースキャンプまで歩いた。
9月8日(水)から11日(土)までだ。
そのあいだ同じような生活だった。

朝は料理係の助手がモーニングティーを持ってきてくれる。
そこで目が覚めて、ゆっくりと紅茶を飲んでから朝食。
朝8時〜9時ごろ出発する。
3〜5時間ぐらい歩いて、その日のキャンプ地に着く。
到着したらランチを食べる。
散歩をしたり昼寝をする。
夕方になったらディナーだ。
暗くなったら寝袋に入って眠る。
そしてまた朝が来て。。。。

わたしたちが背負っている荷物は小さなザックがひとつ。
貴重品のほかに半日分の水と食料だけ。
シムシャール村が標高3000メートル、ベースキャンプが4600メートルぐらい。
それを4日間で登るのだ。
アップダウンはあるが、一日の標高差は500メートルもない。
どんなところを歩くかというと、地元の人の放牧の道だ。
ヒツジやウシやヤクを連れていくために作られている。
この時期はまだ雪もない。
だからすごく歩きやすかった。
ときどき急斜面があったり、砂地で滑りやすいところもあったけど。
でも日本での沢登りなどに比べれば、まったくどうということはない。

周りの景色は、さすがカラコルム!
5000メートルぐらいまでは赤茶けたもろそうな岩山。
そこから上は雪や氷河で真っ白だ。
下を見ると氷河から流れだした水が川になって流れている。
4日間歩いても同じような光景が続く。
わたしたちは、山の精に吸い込まれるようにヒマラヤの奥地へと入っていく。

ここで今回の登山隊の人員を書く。
ゲストがわたしたち日本人ふたり。
登山隊の中でいちばん体力がなく、高所にも弱い。

ほかはパキスタン人ばかり。
みんなシムシャール村出身の人たちだ。
だから彼らにしてみれば地元というか近所の山を登っていることになる。

ガイド兼登山ツアー会社の社長をしているクデラートさん。
8000メートル峰を五つも登っているクライマーだ。

料理係のアクラムさん。
フンザの街でレストランを経営している。
10歳のころから料理の修行をしていたそうだ。
彼が山の中で作る料理はホテルの食事より美味しかった。

ハイポーターや雑用係の人たちが5人ぐらい。
人数がよくわからないのは途中で連絡のために下りて行った人がいたりしたから。
みんなクデラートさんの会社の契約社員のようなもの。
仕事が無いときは家で農業などをしているそうだ。
なかでもサバザリさんという人は、クデラートさんと一緒に8000メートルを登ったことがある。
みんなすごい体力と経験を持っている。

あとポーターが18人。
テント、食料、調理道具などを担いで登る。
わたしの荷物も持ってくれている。
ひとり平均30キロぐらいを背負っている。
ちなみにポーターの賃金は一日500円ぐらい。
4日間ベースキャンプまで歩いて2000円の収入だ。
ポーターさんたちの食料は、自分たちで持ってきた小麦粉を水に溶かして焼いたチャパティーだけ。
夜寝るところは野宿か岩小屋の中だ。

それでもポーターさんたちは元気だ。
30キロの荷物を背負いながら、わたしたちを走って追い越していった。
キャンプ地に着くとクリケットを始めたりする。
お菓子の差し入れに行ったら
「ローカルダンスを教えてやる」なんて言われて、変な盆踊りのようなのを踊らされた。
ということで楽しいトレッキングだった。
今回は時間もたくさんあったので高度障害も出ない。

9月11日午前10時40分、ベースキャンプに着いた。
ここで放牧の道も終わっている。
これから登るチェスキンサールの主稜線が見える。
気温もかなり寒い。
夜になると雪が降ってきたりする。
テントの設営が終わり、紅茶を作ってもらった。
温かいミルクティーを飲みながら、あらためて景色を眺めた。
なんだか自分が登山家になったような気分だあせあせ
0 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する