Stephen King / The Green Mile (vol. VI) Coffey On The Mile
ウォートンが双子の姉妹を強姦致死した真犯人だった
それを悟ったコーフィはメリンダから吸い取った邪気をパーシーに移し、パーシーは気違いとなり、パーシーを介してウォートンを殺した
だが、コーフィの死刑は免れない…
107ページ
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「あなたたち腰抜けは、よってたかってコーフィを殺すつもりなの? メリンダ・ムーアズの命を助け、ふたりの少女たちを死から救おうと努力した男を、あなたたちは殺そうというの? とにかく、この世界から黒人がひとり減るというだけのこと――そう思ってるんでしょう? ええ、そうやって自分たちを慰めていればいいんだわ。黒んぼがひとり減るだけだ、とね」
ジャニスは立ちあがり、じっと椅子を見おろしていたかと思うと、いきなりその椅子を蹴り飛ばして壁にぶつけた。(中略)私はジャニスの手首をつかんだが、その手はすぐふり払われた。
「さわらないで。週が明ければ、あなたは人殺しになる人間よ。ウォートンと同じ穴の貉になる人間だわ。だから、わたしにさわらないで」
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110ページ
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「さっきは腰ぬけ呼ばわりして、ごめんなさい」ジャニスはいった。「結婚して以来、あなたにずいぶんいろんなことをいったけれど、われながらこんなに気分のわるくなる言葉はなかったわ」
「ふたりでキャンプに行って、きみがわたしを〈くさい老いぼれサムじいさん〉と呼んだときよりも?」わたしはたずね、それからふたりで声をあわせて笑い、一、二回キスをして、わたしたちは完全に仲なおりをした。
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コーフィがポールに語った言葉
120〜121ページ
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おれはもう行ってしまいたいんだよ
(省略)
おれは、人間同士で醜いことをやってるのに疲れた。これまで、人を助けたかったのに助けられなかったこともあって、そのすべてに疲れたんだ。暗闇のなかにいるのに疲れた。いちばんの理由は痛みだな。もう我慢できない。自分でおわらせることができれば、そうしたい気分だ。でも、それはできない
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154〜155ページ
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いま当時をふりかえると、〈オールド・スパーキー〉は邪悪なるものの象徴に、危険きわまりない愚行の象徴に思えてくる。わたしたち人間は、たとえ最上の状態にあろうとも、風に吹かれる草のように無力な存在だ。その人間がガスや電気で、たがいに殺しあう?それも冷酷無慈悲に? 愚行。これが恐怖でなくて、何が恐怖か。
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まったくだ
そして、コーフィは殺された(処刑された)
しかしなんと、ミスター・ジングルズが生きていた。コーフィから注がれた“抵抗力”によって。ポール・エッジコムと同様に
それでも老いには逆らえない。糸巻きを転がす技にも陰りが見え、痛々しささえ感じられる
174〜175ページ
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ミスター・ジングルズは糸巻きを追いかけ、転がしてもどってくるこの芸当をこよなく愛している――これだけの年月が流れてもなお、往時と変わらぬ愛をいだきつづけているのだ。こういった情熱をいだけることを、わたしたちは寿がなくてはなるまい。
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ああ、そうだよな。年を取っても楽しいものは楽しい
だがしかし、誰しもいずれは死ぬ
60年以上生きたミスター・ジングルズも終に息絶えた
やがてポールも…
201ページ(最後の一文)
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人間はだれしも死という荷物を背負っており、それに例外がないことはわたしも知っている。しかし……ああ、神よ、ときに〈グリーン・マイル〉はあまりにも長すぎる。
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スティーヴン・キング『グリーン・マイル5 夜の果てへの旅』[2010年01月04日]
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1381176949&owner_id=7106525
いずれ死ぬ[2009年12月14日]
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1362907786&owner_id=7106525
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