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2009年11月09日22:46

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バラ谷山・黒法師岳の登山記録

11月7日(土)に南アルプス深南部へ行った。
以下はその記録だ。

前夜、浜名湖SAで午前0時を過ぎるのを待つ。
高速代を1000円にするため。
それで戸中林道のゲートに着いたのは午前2時だった。
寝酒のビールを飲む。

酔いが醒めないうちに朝になった。
午前6時30分、林道を歩き出す。
天気は晴天だ。

7時30分、林道のゲートからちょうど4キロの地点に来た。
「4キロ」という立て札がある。
緩やかな尾根の末端がある。
今回はここの尾根を登る計画だ。
登山道はないが、植林帯が続いているので踏み跡ぐらいあるだろう。

だけど、どこから登ったらよいのか分からない。
取り付きは全部急な斜面になっている。
もちろん人が登った形跡もない。
どうせならということで、尾根のいちばん先っぽから登り始めた。
岩がやたらと脆い。
手がかりにつかむと、ごそりと落ちてきたりする。
足もとが崩れて、ずるりと滑ったり。
なんとか20メートルほど登ると傾斜も緩やかになる。
木の幹につかまりながら快調に登っていく。

すぐに踏み跡が出てきた。
それもかなり、はっきりしている。
赤テープも要所ごとにつけてある。
林業用の杣道だ。
たぶんこれに沿っていけば、かなり上まで楽に行けるだろう。

踏み跡とテープは、ときどき不明瞭になったりした。
地図を拡げて位置を確認しながら、なんとか登っていく。

それにしても、あたりには人の気配が全くない。
南アルプス深南部というのは、もともと登る人が少ない。
さらにここは登山道がないルートだ。
山の中にひとりぼっちだ。
じつに気持ちがいい。
座り込んで休憩していると猿や鹿が寄ってきた。
そんなに人間が珍しいのだろうか。

稜線が近づいてきた。
登りきれば一般道があるはずだ。
踏み跡やテープがだんだん途切れてくる。
もうさっぱり分からない。
適当に登っていく。

午前10時、稜線に着いた。
明瞭な登山道がある。
あーよかった。
これで今回の登山は終わったようなものだ。

登山道に沿って「バラ谷山」へ向かう。
さすがに南アルプス深南部だけあって、一般道も不明瞭だ。
すぐに違う道に迷い込んでしまう。
しかしまあ方向さえ間違わなければ、そのうち正しい道に戻ることができる。
とぼとぼ歩いて1時間ほど。
突然、開けた広場のような場所に着いた。
富士山が大きく見える。
思わず「おー!」と声が出た。
バラ谷山(2010m)の頂上だった。
ここは日本最南端の2000メートル峰だ。
「本邦最南2000mの地」と看板も立ててある。

ということは、今年登った青森の八甲田山や愛媛の石鎚山よりずっと高い。
なのに登山道もろくになくて、めちゃくちゃ地味な山だ。
さすが南アルプスだなあ。
少し寝転んで展望を楽しんだ。
すぐ1キロ先には「黒法師岳」がある。
さらにたどっていくと不動岳、池口岳、その向こうに3000メートル級の山々がある。
ほんとうに、ここは日本アルプスの南の端っこだ。


その後のことは、とくに書くこともない。
黒法師岳に登り、反対側の尾根を降りて、等高尾根という下山道を駆け下りて、戸中林道に着いた。
林道ゲートに駐車してある車に戻ったのは午後5時。
ちょうど日が暮れかけた頃だった。

すっかり暗くなった山の中を運転して町に戻る。
相変わらず細くてガタガタの道だ。
南アルプス深南部はじつに奥深い。

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