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2009年10月18日23:29

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まだまだ続く即身仏めぐり

5日(月)

湯殿山から下りてきた。
車を走らせて山を下る。
鶴岡の街に近づいてきた。
そろそろコンビニなども現れてくる。
次に訪れる「本明寺」はすぐそこだ。

国道から外れると田んぼと畑ばかりだ。
細い道をたどっていったら「本明寺」に着いた。
ここはパンフレットを見ると「要予約」と書いてある。
無事に即身仏さんを拝観できるだろうか。

ちょっと寂しい感じのお寺だ。
本堂と棟続きで住宅がある。
お寺の人が住んでいるのだろう。
ピンポンを押して扉を開ける。
「はーい。」と女の人の声が聞こえた。
愛想の良さそうな奥さんだった。
「拝観ですか?どうぞこちらへ。」

苔庭にぽつんと建つお堂に案内された。
この中に即身仏さんがいるのだ。
お堂の中は電気が通っていない。
奥さんは祭壇の前にある10本ほどの蝋燭を灯してくれた。
蝋燭の灯りと窓から差し込むわずかな太陽光だ。
即身仏さんのお姿が浮かび上がった。
この即身仏さんは庄内地方では一番古いものだ。
1681年に死んだ。
そのわりには保存がよい。
眼球なども残っているようだ。

なかなか雰囲気のよいところだ。
古いお堂のなか、蝋燭の灯りの向こうに即身仏さんが座っている。
わたしも静かに向き合って座っていた。
とても心が落ち着いた気分になる。

わたしは「拝観料はおいくらですか?」
と奥さんに尋ねたら
「もらっていません。おこころざしで結構です。」

ということで、賽銭箱に300円を入れた。
わたしはお寺や神社でお詣りするとき、お賽銭はいつも1円か5円だ。
海外旅行であまった外国の硬貨を入れることもある。
財布の整理ができて一石二鳥。
でもこのときは素直に300円も入れてしまった。

愛想のよい奥さんとしばらく世間話をする。
奥さんは先代の亡き住職のご婦人だった。
檀家のない寺なので、やはり経営は苦しい。
だけど息子さんが住職を継いでくれた。
とても喜んでいる。

お堂の隅に息子さんの写真があった。
まだ20代の若者だ。
平日は近くの鉄工所に勤めているそうだ。
立派な住職さんだなあ。
若者住職さんは無事に結婚できるかなあ。
写真で見ると、痩身のイケメンだからその点はポイントが高い。
でも結婚したら親と同居だし。
ミイラのお世話もしなければいけないし。
条件的には不利だなあ。

などと、どうでもよいことを思いつつ、即身仏さんをじっくり拝観した。

ここは入定跡に碑が残されている。
拝観が終わってから、ちょっと離れた碑まで散歩した。
苔庭の向こうは林になっていて、ちょっとした森林浴だ。

お堂に戻ってきた。
奥さんはいなくて、お堂の扉は開けっ放しだった。
お庭からも即身仏さんが見える。
なんという開放的なところだ。
もういちど即身仏さんを拝んだ。

「本明寺」は素晴らしいお寺だった。
即身仏めぐりに行かれる方は、ここを外してはいけない。
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