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2009年10月17日23:28

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東北にミイラを求めて〜湯殿山神社

5日(水)

この旅行で拝観した即身仏さんたちは、みんな湯殿山で修行した方たちだ。
湯殿山・仙人沢というところ。
月山のふもとにある。
湯殿山神社のご神体も仙人沢にある。
ここは秘密のご神体だ。
「語るなかれ。聞くなかれ。」
と言って、見ても人にしゃべってはいけないことになっている。
もちろん写真撮影も禁止だ。
だからガイドブックにも写真が載っていない。
松尾芭蕉もご神体を見に行ったのだが「奥の細道」ではその姿について一言も触れていない。
いったいどんなものなのだろう。

ということで湯殿山神社に行った。
昔ははるか山奥だったが、今では立派な舗装道路がついている。
大きな駐車場だ。
「出羽三山めぐりツアー」などで観光バスもたくさん来るらしい。

ご神体は、ここらからバスに乗って10分ぐらいのところにある。
バスの時間を待っているあいだ、広場をぶらぶらしていた。
小さな掛け小屋のようなものがあった。
横の説明板には「即身仏が修行した仙人沢」というようなことが書いてある。
のぞき込んだら即身仏さんのレプリカがあった。
観光客などが来て
「おー!即身仏だ!」なんて言っている。

すでに3体の即身仏さんを見たわたしとしては、どうも物足りないレプリカだ。
袈裟服は本物なのだが、お顔がいい加減な造作だ。
赤塚不二夫のマンガに出てきそうなドクロ顔だ。
がっかりバッド(下向き矢印)

即身仏さんたちが修行した仙人沢をのぞいてみる。
水がちょろちょろと流れる普通の川原だ。
もっと険悪なゴルジュや、とんでもない連瀑があるのかと思った。
またがっかりバッド(下向き矢印)

バスが来た。
仙人沢に沿って山を登っていく。
終点に来たら200メートルほど林道を歩く。
ここからは写真撮影禁止だ。
神社の受付に着いた。
ほかに参拝客はいない。
参拝料を払う。
ここから先は靴を脱いで裸足で入る。

朝の冷たい石に素足を乗っけて歩いていく。
なかなか気持ちがいい。

ご神体が現れた。
大きな噴泉塔だった。
高さは10メートルに少し足りないぐらい。
緩斜面に鉱物の混じった温泉がわき出ていて、盛り上がって塔のようになっている。
鉄分が多く含まれているようで、全体は茶褐色だ。
いまでも岩全体に温泉水が染み出している。
噴泉塔のてっぺんから正面に向かって、滝のように温泉が流れている。

山奥に突然現れる奇妙な物体だ。
昔の人はこれを見て、神々しい自然の脅威を感じたのだろう。
わたしもびっくりした。

ご神体の向かって左側に登り口がある。
赤茶けた岩を登っていくことができる。
もちろん靴を脱いでいるから裸足で登る。
岩の表面には温泉が流れているから、足裏が暖かい。
とてもいい気分だ。

噴泉塔のてっぺんに来たら、仙人沢と山並みがきれいに見えた。
足の底は温泉に浸かりながら、素晴らしい景色を眺めた。
即身仏さんたちも、これと同じ景色を見ながら修行したのだ。
はるばる来てよかったなあグッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)

やがて「出羽三山ツアー」の団体さんたちがやってきた。
静寂が打ち破られる。
神主さんたちは、ご神体に登ろうとする団体さんたちに大声でいろいろ注意を与えている。

そそくさと退出する。
出口付近にあった足湯にゆっくりと浸かった。


このご神体は、冬は雪の中だ。
神社も閉鎖される。
でも、ご神体に続く道路は山スキーで登る人がたくさんいるそうだ。
そういうときは堂々と写真撮影できる。
雪の中のご神体は、きっともっと幻想的だろうなあ。

いつかそのうち月山春スキーに行って、ご神体を見てこようっと。
そのときまでmixi日記を続けていたら写真を掲載するかも。

(つづく)
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