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2009年08月13日23:27

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白山・大白水谷の沢登り記録

先週行った沢登りの記録を書く。
ちょっと遅くなってしまった

8月7日(金)
午後9時、名古屋郊外の某所に集合する。
高速に乗り、東海北陸自動車道・荘川ICで降りる。
国道156号から白山公園線を行く。
終点は白山への登山道の入り口だ。
駐車場でテントを張り仮眠する。

8月8日(土)
雨が降っている。
でも、一般登山の人たちは元気だ。
朝早くから登り始めている。
わたしたちは雨が止まないかと期待しながら、のんびりしていた。
午後8時、晴れ間が見えたので出発する。
大白川谷は登山道のすぐ横にある。
沢の入り口がわからず、少し登山道を上ったりした。

沢に入ると水量が多い。
このところの雨で増水しているらしい。
徒渉をするのに少し苦労したりする。

しかし最初のうちは河原歩きだ。
水の抵抗を感じながらも楽しく歩いていく。

午前9時30分過ぎ、滝が見えてきた。
ここから核心部のゴルジュがはじまる。
5メートルほどの小さな滝を越えると、すぐに次の滝が現れた。
10メートルぐらいだ。
先行パーティーがロープを出している。
思わず緊張して、わたしたちもロープを用意する。
しかしよく見ると簡単そうな岩場だ。
同行者と相談して、ロープなしで登ることにする。
気楽にひょいと滝を越して、先行パーティーを追い越した。

滝の落ち口から次の滝が見えた。
25メートルの滝だ。
記録ではここが核心部だという。
左側の岩が3級程度の勾配だ。
ここでロープを出して登ることにする。
いつもそうだけど、岩場を登っているときは恐怖とか恐ろしさとかあまり感じない。
とにかく次の一歩をどうするか、それだけで頭がいっぱいになるものだ。
わりと楽に登っていく。
すぐに落ち口まで着いた。
ビレイを取って同行者を引っ張り上げる。

そこからもゴルジュの中は滝の連続だった。
ほとんど直登できる滝ばかり。
なかなか楽しい。

ショルダーで登ったのが一カ所。
ショルダーというのは、同行者に肩車をしてもらったりして登る。
クライミングではインチキ技だが、沢登りではよく使う。

2段10メートルの滝があった。
どうにも登ることができないので、左岸を高巻くことにした。
しかし地面がぬかるんでいる上に、垂直に近い斜面だ。
しかも草付きがとても細い。
太い木の枝があれば、それにぶら下がって登れるのだが。
苦労して滝の上まで登る。
同行者がなかなか登ってこない。
どこかで行き詰まっているのだろう。
また急斜面を降りていくと、登り始め近くで立ち止まっていた。
たしかにあそこの一歩を登るのは決断がいる。
上からロープを垂らす。

悪戦苦闘しながらもひとつ、またひとつと滝を登っていく。
ゴルジュもそろそろ終わろうというとき、10メートルほどの滝が現れた。
右岸から上ろうとしたが岩がぼろぼろで登れない。
左岸を高巻こうとしたが、オーバーハングした岩が越せない。
左岸を直登しようとしたが、ホールドがなくて、滑落してしまった。
足を軽く打撲したようだ。

どうしようか考えていたら、右岸の少し縁のほうにスラブ状の岩棚があった。
これを登るしかない。
滑落したので慎重に行こう。
ザックを置いて空身で登る。
簡単な岩場だった。
すぐに登り切った。
最初からこれを発見していれば、30分は早く登っていただろう。
自分もまだまだ未熟だ。

この滝を登ったら、空が広くなってきた。
沢の流れも緩やかになる。
核心部を抜けたのだ。
ここからは、簡単な河原歩き。
ときどき滝も出てくるが、難しいところはひとつもなかった。

今日の宿泊場所を探しながら歩いていた。
雨も降ったり止んだり。
早くテントを拡げて酒を飲みたい。
標高1900メートルぐらいのところに狭い砂地を発見した。
整地してテントを張る。
午後3時、やっと落ち着いた。

あとは二人だけの酒飲み。
天気が悪いから焚き火も起きない。
早めに寝てしまった。

8月9日(日)
午前6時30分出発。
今日も晴れたり曇ったりの、はっきりしない天気だ。
さすがに源流に近くなり水量は少なくなっている。
でもまだ滝が現れる。
最後まで飽きさせない沢だ。

稜線が見え始めた頃、雪渓が出てきた。
雪渓のすぐ上には滝がある。
右側から高巻きしようとしたが、ここも難しい。
雪渓を横切って左側にまわり、滝を直登した。
なかなかスリリングである。
もしも雪に穴が開いたら、落ちて大けがをする。

その後も雪渓を二つ。
滝をいくつか登った。
さすがに大白水谷も水が涸れてきた。
源流に来たのだ。
あたりは広いお花畑のようなところだ。
気持ちよく登っていくと人の声がした。
見上げると登山道だった。
やれやれ。
生きて帰ることができるぞ。

カール状のお花畑を上り詰め、ハイ松のヤブこぎをした。
午前9時45分、一般登山道に出た。
これで沢登りはおしまい。
あとは歩いて帰るだけだ。
座り込んで登攀具を外す。

ここから室堂平までは10分ぐらい。
御前峰までさらに30分ぐらいだ。
天気が悪いので頂上に行くのは中止。
室堂の山小屋まで往復することにした。

室堂はたくさんの人だった。
立派な大きな建物もある。
同行者が「ここはメジャーなところだったんですねー!」と言っている。
そりゃあ日本三霊山の一つだ。

小雨が降り止まないので、そそくさと下山することにした。
昨日滑落したときの打撲が痛かった。
左足がずきんずきんする。
それでもなんとかコースタイムどおり3時間ぐらいで駐車場に戻った。
午後2時少し前だった。

あとは山小屋の隣にある露天風呂に入り、国道に出てトンカツ定食を食べて、渋滞の東海北陸自動車道を走って帰った。

白山の沢は初めて登ったけど、楽しい沢だった。
名古屋から3時間ぐらいで行ける。
また行ってみよう。
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