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2009年06月28日22:15

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映画「劔岳 点の記」

映画「劔岳 点の記」をみた。

お話は明治40年だ。
当時、劔岳は日本最後の未踏峰といわれていた。
それだけ困難な山だったのだ。
陸軍陸地測量部と日本山岳会が初登頂を競い合うが。。。。

わたしは剣岳には何度も登った。
だからかなり臨場感のある映画だった。
ああ、そういえばあそこでロープを出したなあとか、一緒に登った人がアイゼンを落としてめちゃくちゃ怖かったなあとか。

主人公たちは別山尾根の岩稜を登ろうとして諦める。
いまでも「カニのたてばい・よこばい」という難所だ。
でも現在の登山技術だったらどうということはない。
ハーケンを打ってザイルで固定すればあんなところ簡単に登れる。
わたしでも行けるんじゃないか。
登山技術というのもいちじるしく発達しているのだ。

最後に主人公たちは「長次郎谷」を登っていく。
登場人物でもある山案内人・宇治長次郎の名前に由来する。
ここはいまでもバリエーションルートだ。
一般登山者は立ち入り禁止。
そこを実際に登って撮影している。
すごいなあ!

また劔岳に登ってみたくなった。
今年の夏は北方稜線にでも行こうかなあ。

というように褒めてばかりでもつまらない。
ちょっと斜に構えた感想も書く。

いろいろ史実と異なった展開になるのはしかたがない。
初登頂のメンバーも違っていたり、日本山岳会の行動も全然違う。
しかしそれでも、ラストの手旗信号で測量部と山岳会がお話しするシーンなどあまりにわざとらしい話だ。

それから、日本山岳会の初代会長「小島烏水」が主人公に自己紹介する場面。
「小島烏水です。」と言っている。
「烏水」というのはペンネームだ。
こういうときは本名で「小島久太です。」と言うんじゃないだろうか?

ロケ地でいちばんたくさん出てきたのはベースキャンプになった劔御前小屋の前だ。
ちょっとカメラを振れば立派な山小屋が写ってしまう。
なのでカメラは一方向からのアングルだけで写している。
劔岳の登頂のシーンも、頂上の祠が写らないようにカメラは一方向に固定されている。
こういうところも撮影で苦労したんだろうなあ。

とはいえ、これはやっぱり山岳映画の傑作だ。
剣岳に登ったことがある人や、登りたいなあと思っている人は必見だ。
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