映画「わが青春のマリアンヌ」を観た。
人から教えてもらって、一度観たいと思っていた。
ビデオは廃盤でDVDは未発売だ。
ネットオークションでやっと入手した。
1955年・ジュリアン・デュヴィヴィエ監督・フランス映画だ。
森と湖に囲まれた、小さな寄宿舎がある。
十代の男の子たちが勉強しながら暮らしている。
湖の対岸には「幽霊屋敷」というのがある。
ボートで幽霊屋敷に乗り込んだ少年の一人が、そこで暮らす絶世の美女と巡り会う。
少年と美女は相思相愛になるが、あるとき美女は屋敷から忽然と姿を消してしまう。
美女がどうして屋敷に住んでいたのか、なぜ姿を消したのか映画はなにも解説しない。
それどころか、美女の存在自体も幻だったのではないかと示唆しながら映画は終わる。
幻想と現実の区別がつかないお話だ。
結末も曖昧で、本当はどんな事件が起こったのか、観客にはわからない。
ドイツロマン派の小説のようだ。
時代設定もよくわからない。
フォルクスワーゲン・ビートルが普通に出てくるので、映画が作られた1950年代のお話のようだ。
でも照明器具として蝋燭が使われている。
いくら田舎でも、このころ蝋燭なんて使っていたんだろうか。
ということで、映画全体が夢の中のお話のようだ。
主人公の少年は、母親を慕い育って、強く思慕している。
そうすると、お屋敷に住んでいた美女は母親で、物語は主人公のイマジネーションが具象化したものなのかもしれない。
でも、そのような心理学的解釈をにおわせるようなシーンはない。
これは古き良きフランス映画だから。
それで、関西に行ってきたお話は明日書く。
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