映画「奇々怪々俺は誰だ」を観た。
主人公は普通のサラリーマンだ。
ある日、会社に出勤した。
事務室の自分の机には見知らぬ男が座っている。
男は主人公の名前を名乗る。
ここは前から自分の席だという。
同僚たちは主人公のことを、知らない人だという。
会社から追い出された彼は自宅に戻る。
家には会社の自分の机にいた男がいた。
妻も子供も、自分のことを見覚えがないと言う。
自宅からも追い出された主人公は、故郷に帰る。
しかし、実家の母親は彼のことを泥棒扱いする。
あげく主人公は精神病院に隔離される。
やがて病院に、見知らぬ男が彼を迎えに来る。
それから彼は、全く違う人生を生きることになる。。。。
デヴィッド・リンチの不条理映画のようなお話だ。
でもこれは1969年の東宝映画。
谷啓主演の喜劇映画だ。
こんな不思議なお話なのに、なぜかほのぼのと映画は進行していく。
主人公の運命は残酷で、結末はシュールで破壊的だ。
でも、おとぎ話のような、まったりした雰囲気で映画は終わる。
たぶんこういう映画がおもしろいと思う人は少ないだろう。
お話全体のテーマなどはなにもない。
展開も脈絡がなく、こういうふうに進行するとおもしろいなあという感じの行き当たりばったりだ。
でも、こういうのがわたしは好きだ。
あの名作「アンダルシアの犬」のようだ。
ちなみに、わたしのmixiプロフィール写真は「アンダルシアの犬」の一場面だ。
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