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2026年07月02日10:18

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松原照子の「世見」(転載)

本日の世見  2026年7月02日(木曜日)

『金閣寺』

1950年の7月2日未明、京都の金閣寺が炎を上げ、天に向かって燃え上がりました。
この日、室町時代の名建築でもあり、国宝級の文化財でもあった金閣寺(鹿苑寺)は焼失したのです。
放火犯人は行方がわからなかったものの、寺の裏山(左大文字山)山中で自殺を図っているところを見つけられました。
犯人は、大谷大学に通い、金閣寺で見習い僧侶をしていた21歳の男性でした。
この時の動機が、「世間を騒がせたかった」というもの。
これには、当時の日本人はかなりのショックを受けたといいます。
1950年と言えば、戦後まもない頃。世の中は若者による無軌道な犯罪が横行していました。こうした犯罪を、人々は「アプレゲール犯罪」と呼んでいたといいます。
世間を騒がせたかった――たったこれだけの理由で、大それた事件を起こす世の中に、驚きは隠せませんでした。

三島由紀夫の代表作『金閣寺』といえば、この事件をモチーフにした小説です。作家の水上勉も、この事件の関係者から取材したノンフィクション作品『金閣炎上』を上梓しています。
金閣寺を全焼させた犯人の名前は知りませんが、放火犯として懲役7年の実刑判決を受けました。
この犯人は、服役中の1956年に病死しています。
その死因は、統合失調症の進行によるものだそうです。

金閣寺は、5年後に再建され、外見上は見事に元の姿に戻りました。
ただ、真っ黒に焼け焦げた足利義満の木像は、その後どうなったのかはわかりません。
1950年と言えば昭和25年です。
金閣寺が放火されて全焼する一週間前の6月25日、「朝鮮戦争」が勃発。
終戦からまだ5年しか経っていないのです。
隣国で発生したこの戦争は、我が国に“特需”という経済の恩恵をもたらしたと言われています。
この朝鮮戦争は、1953年7月27日に休戦協定が結ばれました。


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