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2026年07月02日07:51

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明日の準備 特選

いよいよ、コミュニケーションの演習も佳境に入ってきました。

大学で実施するのは、一般教養のような意味もあります。
同時に、長期に入院する人を対象にしたワークショップをやる場合の注意点を教えるという趣旨もあります。
だから、ワークショップを通じて親睦を深めたり面白がったりすることも大切ですが、注意を喚起することも大切です。

ワークショップの定番の

ジョハリの窓
https://www.lightworks.co.jp/media/johari-window/

を実施しませんが、その、実施しない理由を述べたいと思います。

1 互いのプライバシーや精神世界の侵害になる恐れがあるから。
特に「遊んでそう」「親と仲が悪そう」などの質問を設定した場合です。
そもそも、人の性格についてあれこれ言うのは、失礼だとも言えますし、自己嫌悪している人にとっては、吊し上げ大会のように感じられる可能性があります。

2 権力関係が作用するから。
教員/学生 先輩/後輩 だけが権力ではありません。どんなに平等なグループにも、逆らえない人が出てきます。

3 少数意見にとらわれる恐れがあるから。
大きな弊害です。たとえば、話好きな人は、一割くらいの他人に、「おしゃべり」という批判を受けるでしょう。だが、真に受けたら、その人の長所を殺すことになります。
中小企業の社長で、順調な人を何人か知っています。彼らは、いい意味で人の批判が耳に入りません。一々気にしていたら何もできないからです。

4 能力や個性は一言で表現できるものではないから。
ニュートンは天才ですが、凡人以下のところもあります。
ある日、研究室で買っていた雌猫が子どもを三匹産みました。
大工さんを呼んで、ドアをくりぬいて、子猫用の三つの穴を母猫の穴の隣に開けさせました。仕事が終わってから大工さんは、「でも、旦那、穴は一つでよかないですか?」といい、しまった! と後悔したそうです。
だから、他人が一言で個性を表現できるのか…と思います。

5 open window(自分でも自覚し他人も認知している性質)を拡げようというのは、偏った価値観にすぎません。
確かに、外に見せている顔と内面が一致する人は、ある種の良い意味でのリーダーだと思いますが…

生徒会長やキャプテンばかりで社会は成り立っているわけではありません。
ハルバースタムの『ベストアンドブライテスト』は、そういうリーダーたちの空前の失敗を描いています。

というよりも、むしろ、unknown windowがあるからこそ、人間世界は成立するのではないかとおもいます。

…たとえば、
藩札というものがあります。江戸時代に藩が発行した兌換紙幣です。一両と書かれていたら一両と交換できるわけですが、藩が改易になるとパーです。
だが、藩に残った金と交換することもあり、百パーセントではないが金が戻ることもありました。
実は、だからこそ、藩札が流通したのです。
藩がつぶれて藩札は紙切れになったと、みんなが思う。そこで、藩札を一割で買い、もしも三割で買い取ってもらえたら儲かると、発想するやつが出る。
実際に、赤穂浪士で有名な播州赤穂藩は、七割支払って金と交換しています。

また、模試や占い。
本当に当たるとしたら、生きていきません。
大学に落ち、悪い男につかまって苦労するでしょう。など。それが、本当に当たったら…
明日宝くじに当たるかもしれない…と思う方こそ生きられます。不確定こそ、希望の源泉です。

また、hidden window 。
『ジギル博士とハイド氏』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%AD%E3%83%AB%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%81%A8%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E6%B0%8F
薬害問題の先駆的な作品です。
そんなことを一世紀以上前に発想していたとは、素晴らしい。

だが、一面では、hidden windowを失くそうという、不自然で都合がよすぎることをした男の自業自得の悲劇とも言えます。。
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