mixiユーザー(id:330483)

2026年02月22日20:35

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NTLive『インター・エイリア』

見た人がみな絶賛しているので、久しぶりにNTLiveに足を運んだ。
なるほど、確かに強烈な作品で評判になるのはよく分かる。ただ個人的には、そこまで両手を挙げて絶賛する気にはなれなかった。

と言うのも、この作品、112分とNTLive作品としてかなり短めなのに、ドラマの本筋に入っていくのがほぼ1時間経ってからなのだ。そこまでの前振りがあまりに長すぎる。
しかもその前振りが、あらゆる奇策を弄した演出とマシンガンのごとき台詞の嵐。疲れる。過剰な情報量で観客をねじ伏せる、このようなファシズム的な作りは、映画であれ演劇であれ私は苦手である。

その前振りには、確かに後半につながる要素が散りばめられている。しかし「本当にあれは必要だったのか」と思うエピソードも少なくない。演出で言えば、最初の方に出て来るギターとドラムの生演奏など、斬新な演出で耳目を驚かせこそすれ、あれが後半のドラマと有機的に結びついているとは思いにくい。早い話が、なくても後半のドラマには関係無いエピソードや演出が散見される。

その前振りが30分かせめて40分で終わってくれればいいのだが、1時間は明らかにバランスを欠いている。しかもあれだけの前振りがあったにしては、後半はむしろ呆気ない。たとえば「自分の法律家としての立場が危うくなることへの危機感。今自分がやっていることは、本当に息子のためなのか、それともキャリアの保身のためなのかが分からなくなってくる迷い」「フェミニストとしての自分と母親としての自分の葛藤」など深掘りすべきドラマはもっとあったはずだ。それなのに情報量過多なセックスコメディのような展開を延々1時間も見せておいて、肝心のドラマを妙に情緒的なエンディングでさくっと締めくくってしまうのは、何か違うのではなかろうか。

あれだけの膨大な台詞を、八面六臂の身体表現まで駆使して演じきったロザムンド・パイクは文句無しに素晴らしく、『ゴーン・ガール』などの映画では分からなかった、俳優としての凄まじい実力を思い知る。しかし戯曲と演出に関しては、何か肝心なポイントを外しているように思えてならない。私の周りでは絶賛一色だが、可もあり不可もありな、少々バランスの悪い作品に思える。

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