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2020年05月02日07:33

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時代の流れです。

有名百貨店のいくつかのトラブルを知っています。
顧客の差別的な選別や不良品クレームの開き直り、不当な下請けたたき…などを知っていますから、「百貨店の売り上げが低くなった。かわいそうだ。」というのは、私にとってノスタルジーでしかありません。

むしろ、有名百貨店がのし上がっていた時代、何が起きていたどういう時代だったのか…ということを考えたくなります。
あの頃は、「メーカー品」という言葉がありました。
「メーカーの品」というと、品物を作る業者の品という意味で、当たり前ではないか…と思われますが、「メーカー」という言葉で中小と大きい事業所を選別した言い方です。

その選別の妥当性ですが、ある程度妥当だったのではないかと思います。私の母方の祖父は、呉服商です。本人が隠居した伯父の代でデパート(もう整理しました)を作りましたが、仕入れた反物の目利きに自信がないときは、糸をとって燃やして匂いで判別していました。巧妙なまがい物が多く、そういうまがい物を駆逐することで信用を得ていた時代でしょう。

また、売り込む業者も「糸偏」といわれる独特の体質を持った業者だったようです。
たとえば、高校生のころ道を歩いていたら「お兄さん」と呼び止められました。スーツを買わないかという話です。売り込みに失敗したから、持って帰ると社長に叱られると。
その話を上の伯父の息子の従兄にしたら、よくある話だといっていました。そのセールスマンはニコニコしており、焦っている様子もありません。「世間は大変だなあ。俺には絶対できない。どんな商売についてもその人次第だというのは、どこかの中学の先生が口から出まかせで言ったことだ」と思いました。だからといって、勉強して有利な職に就こうとは、特に思いませんでしたが。
大学に入ってバイトした零細塾の教室長にもと、そのセールスマン側だった人がいました。彼は実際に、歌舞伎町で通行人を呼び止めて、「社長! これ、いかがですか?」などとやっていたそうです。ちなみにひどい二枚舌の人でした。僕のような温和な学生バイトにも攻撃された人。よい人生は送れないでしょうね。

デパートが選別するという作用を担ったのは、インチキ品やインチキ業者の排除という一定の役割を果たしたのかもしれませんが、
「メーカー」が信頼される、すなわち中小が信頼されないということは、一面では製品の均一化が進行したということです。

その典型が、阪急のカレーではないでしょうか。阪急の小林一三が、阪急デパートの最上階にうまいカレーを安く入れて、それで客集めをしたという。カレーは嫌いな人がほとんどいません。このエピソードは、『包丁人味平』という漫画で紹介されていますから、ご存じの方も多いと思います。

高度成長期、すなわちデパートが社会的にステータスが高かったころに子どもだった人の家族写真をみると、ハハ〜ンとわかります。全く同じ写真だからです。官僚一家に育った人も、職人一家の人も、お父さんが同じような背広を着て、お母さんは似たようなパーマをかけていると。
そういう時代こそ、デパートが似合ったのかもしれません。

ここ十年くらい、斜陽産業ですから質が落ちたのでしょうか。
商品知識が店員にない点が気になります。靴のマッケイとグッドイヤーの区別もつかないと。トレンドもありますが、そういうところがじわじわと評判を下げたという側面もあるでしょう。
その点、セレクトショップは素晴らしいですし、まだ孤塁を守っているハイレベルのデパートもあります。

コロナが引き金となり、もう限界に来ていた商売(あるいは商売の方法)が淘汰されていきます。


■百貨店の売上高、4月は7割超減「5月は数字ないかも」
(朝日新聞デジタル - 05月01日 20:26)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6068505
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