多湖輝さんとすれ違ったことがあります。
これは、お話してもご迷惑ではないでしょうから、話しますが、
F−ONE という洋服屋の試着室です。
ここは、今でこそ一般化しましたが、コンピュータ造形のオーダーメードの走りの店の一つです。
http://www.f-one.co.jp/foneorder/concept.html
仮縫いナシでコストを大幅にカットした、オーダースーツ店でして、
肩や袖丈などを採寸し、前肩などの情報を入れると、何万という今までの顧客のデータの中から、自分と同じ体格を選んでくれます。ぼくも、どこのどなたさまかわかりませんが、ぼくと全く同じ体形の御仁のオーダースーツと同じものを着て、ジャストフィットでした。ちなみに、デパートの仮縫い付きのオーダーの三分の一以下の値段で、生地のバイヤーがしっかりしているので、遊びのセンスのある生地があります。
要するに、一般の洋服屋の欠点、不当に高すぎる、生地がワンパターンである、というものを徹底的に排除した店です。
当時、ぼくは、研数学館という、スーツで出勤しなければならない予備校に出勤が決まって、四五着を一気に作らなくてはいけないので、困っていたところでした。お金がかかるから、つるしのダサい安物にしようか…と思っていたら、着道楽のダンディな先輩が、一番合理的な店を教えてくれたというところです。
すれ違ったとき、
さすがに、多湖輝だな…と思いました。
店の選択は、合理的で、都会的です。
こういう店の、常連でいらしゃる…
じろじろ見たわけではありません。目の前で店員に生地を返されたので、いやが応でも目に入っただけですが、同じネイビーにチョークストライプの生地でも、上場企業管理職や官僚が選びそうな柄とは、似ているように見えて微妙に違う、ひねりがあるものを選んでいらっしゃいました。
あのキャラクターそっくりです。
多湖さんは、心理学者ですから、文化人ですが、文化人が大衆的なベストセラーを書いた、しかも、キャラクターを売りにした最初の世代ではないでしょうか。
『頭の体操』などの本は、「面白そうだ」と、一般の人を学問に親近感を覚えさせた本だと思います。
ご冥福をお祈りします。
「頭の体操」多湖輝さんが死去
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3899007
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