先日、2段組の本を読み始めたと書きましたが、
それは垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」でした。
ご存知の方も多いかと思いますが、2023年の第169回直木賞の受賞作です。
2段組549ページの大作で、読むのに少し時間が掛かりましたが、
面白いので、サクサクと読めました。
極楽征夷大将軍とは足利尊氏の事で、
尊氏と弟の直義、家宰の高師直の3人を描いた歴史小説です。
鎌倉幕府最後の執権である赤橋守時や
後醍醐天皇や楠木正成・新田義貞・赤松円心等の人物も描かれています。
尊氏は極楽とんぼの能天気な人物として描かれ、
それを弟の直義や家宰の高師直が支え、征夷大将軍になるのですが、
その後直義と師直とが対立し、観応の擾乱に至るまでが描かれています。
それが史実かどうかは別として、
分かりづらい室町幕府の成立の過程が、上手く描かれていると思いました。
垣根さんは、好きな作家の一人です。
最初は、「ヒートアイランド」などのハードボイルド系の作品が多かったです。
ブラジルの移民の後衛を描いた「ワイルド・ソウル」も良い作品だと思い、
ブラジルの日系2世の女性に奨めた事があります。
「君たちに明日はない」のシリーズは、リストラ代行業を描いた軽妙な連作短編です。
そうした現代の作品が多かった垣根さんが、
「光秀の定理」、「信長の原理」と言う歴史小説を著しました。
思わぬ視点から描かれていて、とても面白かったですし、
「室町無頼」は、室町時代の都の様子が描かれています。
そうした創作の流れを踏まえての「極楽征夷大将軍」なのでしょう。
史実を丹念に踏まえて、想像を広げた面白い作品になっていました。
以前の日記の繰り返しになりますが、
この作品、直木賞を受賞してから読みたいと思いましたが、
図書館で手にしたら2段組だったので敬遠していました。
拡大鏡のお陰で、無事に読めて、良かったです。
【今日の一句】
中身無し 俺の財布は いつも空
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