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2022年05月25日18:55

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猪瀬直樹氏・・・

 今日のニュースを見ていたら、
 日本維新の会が、夏の参院選比例代表に
 作家で元東京都知事の猪瀬直樹氏を擁立するとの記事がありました。
 猪瀬氏は、1987年に「ミカドの肖像」で
 大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。
 東京都の副知事などを経て、2012年に都知事に就任しましたが、
 翌年、医療法人徳洲会から5000万円を受け取った問題を受けて辞職しました。

 猪瀬氏については、本田靖春が『我、拗ね者として生涯を閉ず』で述べています。
 猪瀬直樹氏が佐野眞一氏と連れ立って、本田の家を訪れ、
 原稿料値上げ運動を起こしたいが、若手だけでは心細いから、
 本田に一枚噛んでくれ、と頼みに来たと言うものでした。
 猪瀬氏にしても佐野氏にしても本田とは面識がなかったようです。
 更に、
 「本田が猪瀬の師匠だ、と一部でいわれたことがあったが、その事実はない。
  だいたい、生き方のまるで違う彼が、
  私に学ぶことなんてありはしないではないか」。
 「猪瀬氏は勉強家だし、仕事熱心だし、世渡りも上手だと思うのだが、
  なぜか、人に好かれない。
  それは、単に、威張り過ぎるから、といったような
  表面的理由だけによるものではなさそうである」とも述べています。
 流石に本田靖春で、猪瀬氏の本質を見抜いていたような感じがします。

 本田靖春をご存知ない方も多いかも知れませんが、
 日本を代表するジャーナリストだと思っています。
 早稲田大学を卒業して、1955年に読売新聞社に入社し、
 1964年、売血の実態を抉った「黄色い血」追放キャンペーンでは、
 自らも山谷の売血常習者たちの列に並んで売血するなどの
 綿密な取材の効果あって大きな反響を呼びました。
 読売新聞の社主であった正力松太郎による紙面の私物化に抗議して退社し、
 フリーとしての文筆活動を始めます。
 売春汚職事件で一時逮捕された先輩記者を取り上げた『不当逮捕』、
 吉展ちゃん事件を取材した『誘拐』、
 安藤組のヤクザを描いた『疵 花形敬とその時代』、
 若い頃に通っていたバーのマダムを描いた『警察(サツ)回り』などがあります。
 昔、ある新聞記者は、『警察(サツ)回り』を読んで記者になったと言っていました。
 『我、拗ね者として生涯を閉ず』は、数少ない僕の蔵書の1冊です。
 本田は、2000年に糖尿病のため両脚を切断、大腸癌も患いましたが、
 終生、賃貸アパートに住んでいました。
 2004年12月4日、多臓器不全により71歳で死去しています。
 彼は、
 「記者はおのれを権力と対置させなければならない。
  これは鉄則である。
  権力の側に身をすり寄せていけば、そうでなくても弱い立場の人びとは、
  なおのこと隅っこに追いやられるのである。」とも書いています。

 維新の会が、猪瀬氏を擁立する狙いは何なのか、
 猪瀬氏が何故それを受けたのか分かりませんが、
 久し振りに猪瀬氏の名前を見て、本田靖春の指摘を思い出していました。


【今日の一句】
 働いて 溜めた金より 誤振り込み


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