mixiユーザー(id:12410478)

2019年03月07日07:10

328 view

少し真面目に。ノーベル文学賞考。

村上春樹さんが受賞するかが話題となっていますが、
私は受賞してもしなくてもいいと思います。

理由は、
1 ノーベル賞は、政治的である。
『戦争と平和』のトルストイが落選したのはそのためです。トルストイは幕末から明治までの人です。あんなに左翼的な傾向がある人ですから、当然、取り損ねました。
村上春樹は、反イスラエルの演説をしているから、取れないのではないでしょうか。

2 年齢に配慮する賞である。
日本の勲章も同じですが、死にそうな人は取れます。山中伸弥さんが取れたのも、先行する研究をした(カエルの細胞の核を抜き、クローン技術の道を切り開いた)ガードン教授がご高齢で、お亡くなりになる前に授賞させるということになり、ガードン教授の後継の研究をした山中さんと同時受賞ということになったからです。
三島由紀夫は、まだ若いと言っているうちに、例の事件で死んでしまいました。

3 大物が落ちている
トルストイ、ジョイス、カフカ、ヴァレリー、プルーストが取っていません。
世界文学を切り開いた人です。
特に、何らの問題もないプルーストが落ちたのは、おかしいです。もしかしたら、ホモセクシャルで、それは良いですが、こともあろうに男娼窟に出資までしています。そこが引っかかったのか…後世の研究で明らかになったことですから、そんなこともないと思いますが。

しかし、
ノーベル賞選考は、さすがに炯眼です。
今まで候補にあがったことがハッキリした文学者は、
賀川豊彦、西脇順三郎、谷崎潤一郎、三島由紀夫です。
社会的な意義、文学的な香気、思想史的な意義、東洋文化の紹介。この四点を考えると、
たとえば、西脇順三郎は、社会的意義という点では貢献がないですが、文学的な香気、思想史的な意義は巨大です。
日本の文学研究者で、これほどセンスがいい人は、どのくらいいるでしょうか。

ところで、生徒向けの読書リストがありますが…

今、リストをみると、
ル・クレジオやパトリック=モディアノのような、ノーベル賞を取れたひともいれば、取れそうもない、実際に取れなかった人もいます。

先ほどの四点は、敬意を表するべき基準ですが、
基準は、どうしても一般的なものとなり、魂の深部への食い込みを反映しないこともあるからでしょうね。



参考 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(4)自称、世界一センスがいい、日本の近代中短編小説リスト

内田百�痢慳重咫戞悒汽薀機璽討糧廖戞愀錙戞愽拭戞\涕�信夫『死者の書』 志賀直哉『焚火』『真鶴』 井伏鱒二『女人来訪』『夜更けと梅の花』 稲垣足穂『美しき穉き婦人に始まる』『彌勒』『彼等』 尾崎翠『第七官界彷徨』 梶井基次郎『蒼穹』『桜の木の下には』『闇の絵巻』 椿實『メーゾン・ベルビウ地帯』『死と少女』
リストを作ってみると、梶井基次郎や井伏鱒二の小説で、名作とされているものはつまらないことがわかります。志賀直哉の『真鶴』が、教科書に採られているくらいでしょうか。これでは、読書嫌いになるのも当然のような気がします(笑)
稲垣足穂は、中期の小説が最も美しいです。紀要論文を書いたことがありますが、その後研究する人があまり出ていないようです。三島由紀夫は、男で最も才能がある作家は、稲垣足穂であり、女では、岡本かの子であるとしています。さすがです。その三島由紀夫の作品をリストにとるとしたら『花ざかりの森』でしょうが、考えがあって、とりませんでした。
椿實は東大の学生であった短期間だけ創作活動をし、あとは高校の先生として一生を過ごした(退職時には、都立深川商業の校長)人ですが、天才です。作品は、痛いほど美しいです。

(5) 現代世界文学の素晴らしい小説

特選
ロレンス=ダレル
『ジェスティーヌ』『バルタザール』『マントオリーブ』『クレア』
四部作〈アレキサンドリア四重奏〉。全編が詩といっていい素晴らしい小説。

推薦
イギリス   マードック『鐘』『魅惑者から逃れて』『網の中』 シリト―『長距離走者の孤独』 チャールズ=モーガン『泉』 ジョイス『ユリシーズ』『フィネガンズウェイク』
フランス   デュラス『モデラート・カンタービレ』『愛人』『ヒロシマわが愛』 アンドレ=ピエール=ド=マンディアルグ『海の百合』『大理石』 ピエール=ガスカール『魅惑』 ル=クレジオ『大洪水』『向こう側への旅』 ソレルス『挑戦』『公園』 クロード=モーリアック『忘却』 グラック『シルトの岸辺』 モディアノ『暗いブティック通り』
ドイツ   カフカ『城』『巣穴』 グラス『ヒラメ』
イタリア  パヴェーゼ『丘の上の悪魔』『美しい夏』『丘の上の別荘』『ヌーディズム』 
アメリカ  フォークナー『響きと怒り』 バース『酔いどれ草の仲買人』 サリンジャー『ナインストーリーズ』 ミラー『南回帰線』 カポーティ『遠い声遠い部屋』『冷血』
ラテンアメリカ  ボルヘス『伝奇集』 ドノソ『夜のみだらな鳥』 コルターサル『石蹴り遊び』 マルケス『百年の孤独』 

……ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




■ノーベル文学賞の発表、今秋から再開 昨年分とまとめて
(朝日新聞デジタル - 03月05日 20:58)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5525194
9 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年03月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31