寺田 勝紀
ニューヨークで1,000万円超の医療費請求。
アメリカ大好きだった僕が考えたこと��
サンフランシスコから、いよいよ本来の目的地であるアリゾナ州ツーソンへ。
目的は天然石の仕入れです。
ツーソンでは毎年この時期、世界中から天然石や宝石、鉱物を扱う人たちが集まる世界最大規模の展示会が開かれます。
僕にとっては仕事なんですが、昔からアメリカが大好きだった僕にとって、アメリカでしばらく「生活する」ということ自体も楽しみでした。
実際、ツーソンはサンフランシスコとは全然違います。
どこまでも広い道路に、でかい車。
少し街を離れると、見渡す限りの荒野にサボテン。
「これこれ。これが僕のイメージしてたアメリカや!」という感じ(笑)
ところが、そんなツーソンで天然石を仕入れながら何日か生活していると、少しずつ別のことが気になり始めました。
まず、何を食べても高い。
普通にランチを食べて20ドル前後。当時の為替で考えても3,000円ぐらいです。
別に高級レストランへ行っているわけではありません。
「普通に昼飯やで?」という感じです(笑)
もちろん、アメリカと日本では所得水準も違うので、単純に日本円へ換算して高い安いを比べるのは違うと思います。
でも、日本から行った僕の財布から実際に出ていく金額としては、やっぱり高い。
しかもレストランでは、そこにチップが加わります。
スーパーへ行っても同じです。
日本の感覚で値札を見ていると、「これがこの値段?」と思うものが結構ある。
その代わり、何でもでかい。
飲み物もでかいし、肉もでかい。ピザもハンバーガーも、とにかくでかい。
最初のうちは、それも含めて、「おお、アメリカやなあ」と喜んでいました。
僕はもともとハンバーガーもピザも大好きなので、むしろ楽しいぐらいです。
ところが、それが何日も続いてくると、日本では普通すぎて何とも思っていなかったものが、だんだんありがたく感じるようになってきました。
コンビニへ行けば、おにぎりも弁当も惣菜もある。
スーパーへ行けば、刺身も焼き魚も煮物もサラダもある。
安い定食屋へ行っても、それなりにちゃんとしたものが食べられる。
そして何より、「日本て、安くてもうまいんやな」ということです。
アメリカでもマクドナルドへ行きました。
本場のマクドナルドですから、アメリカかぶれの僕としては一度は食べておきたい(笑)
ところが食べてみると、「あれ?日本のマクドの方がうまいやん」と思いました。
実際アメリカ人もそういう人が多くて、ビックマックとフィレオフィッシュを食べたけど、フィレオフィッシュなんか食べれたもんじゃありません。
まあ。。。アメリカのマクドナルドがまずいという話ではありません。
肉料理なんかはやっぱりアメリカらしくてうまいし、ボリュームもすごい。
でも日本は、安い店でもチェーン店でもコンビニでも、普通に一定以上の品質のものが出てくるんですよね。
しかも店はだいたいきれい、サービスも丁寧、レストランでは水が無料で出てくるところも多いし、チップもいらない。
それまで、そんなことを特別すごいと思ったことはありませんでした。
トイレなんかもそうです。
日本では駅でも商業施設でも高速道路のサービスエリアでも、普通にトイレがあって、しかもかなりきれいです。
これも日本に住んでいると、あまりにも当たり前すぎて何とも思わない。
でも、海外に出ると、「あれ?これって当たり前ちゃうんや」と気づきます。
アメリカが大好きで、「やっぱりアメリカはええなあ」と思いながら来たはずなのに、アメリカで生活すればするほど、「あれ?日本はやっぱり最高やん」と思うことが増えていきました。
もちろん、アメリカには日本にはない良さがいっぱいあります。
人は明るくてフレンドリーだし、街も自然もスケールが大きい。
何でも豪快で、僕が昔から憧れていたアメリカは確かにそこにありました。
だからアメリカが嫌いになったわけでは全然ありません。むしろ今でも好きです。
ただ、海外に出てみて初めて、日本で「普通」だと思っていたことが、実は全然普通ではないということに気づき始めました。
この時はまだ、「日本って、思ってた以上にええ国なんやな」ぐらいの感覚でした。
まさかこのあとニューヨークで入院することになり、その感覚が決定的に変わる出来事が待っているとは、この時はまだ思ってもいませんでした。
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