妻とのやり取りの中で、
言い方ひとつで気持ちの動きが大きく変わるものだと感じたことがあった。
仕事から帰って、
郵便物を開けたはさみをダイニングテーブルに置きっぱなしにしてしまった。
お風呂に向かう途中、妻から少し強めの声で、
「これ片付けてよ。なんでいつも置きっぱなしなの」と言われた。
正しいことを言われているのに、胸がチクリとした。
責められたように感じて、心がすっと閉じてしまった。
別の日、同じように置きっぱなしにしてしまった時、妻から落ち着いた声で、
「これ片付けてもらえると助かるよ。私も今日はちょっとバタバタしててね」
と言われた。
その言葉はやわらかく心に届いて、自然に「ごめん、すぐやるよ」と返せた。
同じ内容なのに、受け取り方がこんなにも違う。
その瞬間、会社で学んだアサーティブコミュニケーションのことを思い出した。
コミュニケーションには大きく3つのタイプがあると言われている。
1.アグレッシブ…強く言いすぎて相手を押し込んでしまう
2.ノンアサーティブ…自分を抑えすぎて言いたいことが言えない
3.アサーティブ…自分も相手も大切にしながら伝える
妻の後者の言葉には、アサーティブコミュニケーションの4つの柱
――素直・対等・誠実・自己責任――が自然ににじんでいた。
・ 気持ちをまっすぐに伝え(素直)
・ 責めるでもなく、下にも置かず(対等)
・ 自分の状況をそっと添えて(誠実)
・ 対話を選んだうえで、その結果を受け止める姿勢があった(自己責任)
その丁寧さが、私の心をふっと開かせてくれたのだと思う。
一方で私は、妻との会話になるとつい“ノンアサーティブ”を選んでしまうことが多い。
衝突を避けたくて言いたいことを飲み込み、後から小さなモヤモヤだけが残る。
今回の出来事は、そんな自分の癖にもそっと気づかせてくれた。
これからは、強く言うでもなく、我慢するでもなく、
素直で誠実な対話を自分から選べる人でありたい。
家庭でも職場でも、空気は言い方ひとつでやわらかくなる。
その小さな積み重ねを大切にしていきたいと思う。
P.S.
なお、私が“バタバタしてて”と言うと『で?』で終わります。
これが夫婦のリアルです。
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