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2026年04月06日08:26

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つげ義春さんが教えてくれたもの 求心という感覚の否定 特選

昨日、おとといとつげ義春さんについて日記を書きました。

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これを別の面から見直すと、
〇 ありのままの人生
× 目標や終着地
ということだと思います。

たとえば、『紅い花』。
紅い花とは、初潮の象徴です。しかし、それが重苦しくないのは、成長して何を目指していくのか。たとえば、「こんな村に住むのはいやだ。東京に行って、将来、食べていけるように、働きながら看護学校に行きたい。」などという目標や終着地に類する展望が全くないからです。だから、漫画に描かれた、彼女の美しいヴィジョンが屹立する。

周りに集う人も独特でした。
たとえば『義男の青春』に出てくる、田山先生のモデル、岡田 晟は貸本の執筆で羽振りがよかったころつげ義春を温泉に連れていき、悪い遊びもします。つげもそこの年上の女中と深い仲になります。つげ作品に描かれている岡田 晟は、将来を考えていない人です。
怪談というジャンルを漫画に定着させたなど、草創期の漫画を語るうえで重要人物ですが、将来を考えない。
だから、現実の岡田の生活も、80過ぎまで上野公園の似顔絵かきでした。

この「無頼」(一般社会の思想信条に従わず好きなことをして生きるという意味です)は、
実は異性の魅力の一つだと思います。

岡田 晟と泊まった温泉宿の年上の女中。『チーコ』『別離』に描かれたコケシというあだ名の彼女。『池袋百店会』の女性。『やなぎ屋主人』が旅に出る前に立ち寄った、個室ヌードの女…
そして、美人でもセクシーでもないですが、『無能の人』第6話「蒸発」に出てくる、一日中布団を敷いて寝ているという怠け者の新しい男と暮らす未亡人…

配偶者などの「男」と、たとえば、マンションを買う、店を持つと、何かを築き上げるのは、鬱陶しいことです。その鬱陶しさから逃げ出すには、ロマンが要ります。
ロマンの反対語は、古典
古典 … もう秩序が完成されていると考えること。音楽でいうと、バッハの平均律のようなものを守っていこうという考え方
ロマン … 秩序を破壊する必要があると考えること。夢、冒険、旅、心霊術、恋愛。

逆の例としてこんな女性を思い出します。
二浪して早稲田大学卒。それは結構なことですが、朝はジャズダンス、昼はダイエット。仕事が終わってから、Toeic対策…とスペック上げに夢中。三十代でも独身です。
男の第一条件は偏差値。

そういう女の人が嫌われるのは、あながち、値踏みされているようで面白くない、付き合う男の気が休まらないからだけではありません。そういう心情もありますが、なんといっても、社会の中央を求心する心情が、現在の生活を否定するからです。
まるで、カレー屋が「渋谷カレーグランプリ」を目指して、結局は、ククレカレーにレッドペッパーやクミンなどのスパイスと、マンゴージュースをぶち込んだような味になるかのようです。
うまさより、「どうだ、美味いだろう」というあざとさが突出するという。

「渋谷カレーグランプリ」が他人の価値観であるのと同様に、もちろん、
金も地位も、所詮は他人の価値観です。
だから、他人が勝手に評価するのはいいとして、そういうこととは無関係に生きないと人として美しくはありません。

現実のつげ義春さんが、おしゃれにも気を遣わず、金にも地位にも縁がないのに割合と異性にもてた…なんだか、納得できます。
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