少し前になりますが、改めて日本史を通史的に読んでみたいと思いました。
栃木県立図書館で、手頃な本はないかと探していて、
この「全集日本の歴史」に行き当たりました。
この本は、小学館が85周年記念として2008年に発行したようで、
全16巻にわたる日本史のシリーズです。
第1巻が『列島創世記 旧石器・縄文・弥生・古墳時代』で、
「出土物が語る列島4万年の歩み」との副題が付いています。
何となく大仰なタイトルだと思いましたが、
執筆者は、岡山大学の准教授だった松本武彦です。
この第1巻が述べているのが、旧石器時代から古墳時代の5世紀までです。
普通の通史だと、弥生時代で区切ると思うのですが、
それを敢えて古墳時代の5世紀迄に引っ張っていて、違和感がありましたが、
著者は文字の有無によって時代を区切ったもので、
言われてみれば合理性があるかなと思いました。
松本武彦は、欧米で提唱されている認知考古学の手法を用いて、
人間の心理にスポットを当てながら歴史を解き明かしています。
これまでにはない、歴史の記述で、とても魅力的な感じがしました。
その代わり、紙数の関係なのでしょうか、この時期の歴史では必ず述べられる、
邪馬台国論争などには触れていません。
松本武彦は、国立歴史民俗博物館研究部教授を務めていましたが、
残念な事に2024年9月に62歳で亡くなっています。
この『列島創世記』は、2008年のサントリー学芸賞を受賞しています。
そして第2巻が、『新視点古代史 日本の原像』です。
第1巻から引き継いだ文字のある時代の歴史ですが、
著者は平川南さんと言う方で、
2006年4月から2014年3月まで国立歴史民俗博物館の館長を務めた、
日本の古代史の専門家です。
文字のある時代の歴史となると、
古事記や日本書紀や続日本紀などを思い浮かべますが、
それよりも、近年膨大な数が発見されている木簡の研究などにより、
庶民の暮らしから政権の統治システムなどを明らかにしていて、
とても面白いと思いました。
古代中国の影響下で「天皇」や「日本」がどのように成立したかなどにも触れていて、
第1巻と同じように、これまでの歴史学とは違った視点から述べられていて、
とても興味深い内容でした。
全16巻のシリーズの内2巻読んでしまいましたので、
やはり全部読んでみるべきなのでしょうね。
16巻は、『豊かさへの渇望』と題する、戦後の高度経済成長期を述べたものです。
どの位時間が掛かるか分かりませんが、慌てずに読んでみようかと思っています。
【今日の一句】
調子よく 話す相手は 詐欺かもね
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