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2026年02月23日16:49

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【映画】『なぜ君は総理大臣になれないのか』

先日中道改革連合の党首となった小川淳也の姿を追ったドキュメンタリー。2020年に公開されてかなり話題になり、キネマ旬報の文化映画ベストワンにも選ばれた作品なので前から見たかったのだが、今回の党首就任に合わせてか、YouTubeで無料公開されていたので、ようやく見ることができた。
 
なるほど、確かに面白かった。この手の政治ドキュメンタリーはどうしたってプロパガンダ的にならざるをえず、この映画も小川淳也の人間的な魅力を描いているので、そういう部分は冷静に距離を置いて見ないといけない。
だがその部分を割り引いても、確かに小川淳也というのが非常に理想家肌の人物であること、そしてすでにネタにされているように、話を短く切り上げられないタイプであること(笑)などが伝わってくる。
それはどちらも2020年代の日本の政界においてはマイナス要因なのだが、それだけに面白いと言うか、今の政治がすっかり置き去りにしてしまったものを見ているようで、一周回って非常に新鮮に感じられた。

政治家にとって「言葉」は武器のようなもの。切れ味のいい言葉でメッセージを伝えられない小川は確かに「政治家に向いていない」とも言える。しかし「切れ味のいい言葉」という技術を磨くばかりで、「その言葉によって語られる政治理念や実現方法(=現実とのすり合わせ)」は、今では二の次になっているように思える。見ていると、確かにこの人が政界で存在感を持つようになれば、そんな極端な風潮を少しは修正できるのではないかという期待を抱かせてくれる。

またこの人は、映画を見ていても、その後ネットなどで調べても、中道よりは少し右寄り。少なくともリベラルとか左翼とか呼べる人ではない(よりにもよって前原誠司の右腕だったのか!)。そういう意味では、逆に現在の自民の穏健支持層にもアピールできる可能性もあるのでは?と思ったり。まあ政党自体がどういう方向に舵を切るのかは分からないが。

十数年もの時間をかけて作られた作品なので、登場人物の成長や老いが記録されていて、その嘘偽りの無さが作品に厚みを与えている。最初の方ではまだ子どもに過ぎなかった2人の娘が成長し、最後の方では大学生になっていて、「娘です」のタスキをかけて父親の選挙運動を手伝っているのが微笑ましい。
街頭に立っているとき、小川が通りがかりのおじさんから罵声を浴びせられるシーンがあるのだが、小川がグッと感情を抑えているのに対し、長女が大きな目でおじさんの後ろ姿を睨みつけている光景が最高すぎる(笑)。あのシーンだけで、本作を好きにならずにはいられない。

ただ政治は、最終的には「選択/決断」、そしてその結果に対する「責任」から成り立つもので、その点に対する強さが見えてこないのはちょっと歯がゆかった。まあ映画は、ほぼ下っ端議員時代や議員になる前の話で、後半は政界再編に右往左往する姿が描かれるので、それは仕方ないことではあるけれど。


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