島袋 朝永
早朝

つけた。金メダルの歓声が映っている。
その演技は、完璧だった。
前日は、三浦璃来選手無言のインタビュー。
それが、一夜明けて、満面の笑みに変わった。
日本中が大歓声で「地元誌で号外が発刊された」
彼らはよく頑張った。よく踏ん張った。
でも、彼らを陰で支え続けた企業が有る。
ほとんど無名な時から、永年にわたり…
日本企業未だ未だ捨てたもんじゃない
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に、に、にせんまんえん
木下グループが、三浦璃来・木原龍一ペアに特別ボーナスを検討。
『多すぎる?』
いや、この金額を見て
『当然だ』『むしろ安い』と思える
11年越しの物語があります。
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時は2013年
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木原龍一、当時23歳。
・フィギュアペアの成績:全日本8位
・知名度:ほぼゼロ
・メダルの見込み:不透明
・スポンサー:ほとんどつかない
日本でペアは不人気種目。
男子シングルや女子シングルと違い、スポンサーがつきにくい。
そんな彼に、木下グループは手を差し伸べた。
『アスリートを支援するのは、結果が出る前からだ。結果が出てからでは遅い』
多くの企業が『メダルを取ったら契約します』と言う中、
木下グループは違った。
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そこから10年間
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正直、結果は出なかった。
2014年:全日本7位
2015年:全日本6位
2016年:全日本5位
2017年:全日本4位
2018年:パートナー解散
五輪?
メダル?
遠かった。
むしろ、『もう引退か...』と思われた時期もあった。
それでも、木下グループは支援を続けた。
給料を払い続け、練習環境を整え、背中に「木下グループ」の社名を背負わせ続けた。
10年間、ずっと。
社内では、こんな声もあったはずだ。
『いつまで支援するんですか?』
『費用対効果は?』
『他の選手の方が...』
でも木下グループは、ブレなかった。
『龍一を信じる。それだけだ』
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そして2019年
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29歳になっていた木原龍一に、新しいパートナー三浦璃来(20歳)。
木下グループは、2人のペアにも全面支援を決めた。
『また最初からか...』
支援開始から、すでに6年が経っていた。
普通の企業なら、『もういいでしょう』と言ってもおかしくない。
でも木下グループは、また信じた。
新生ペア「りくりゅう」に、木下グループの社名が輝く。
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2023年3月24日
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世界フィギュアスケート選手権。
さいたまスーパーアリーナ。
氷の上で、2人は完璧な演技を見せた。
得点発表。
222.16点。
日本ペア史上初、世界選手権金メダル。
その瞬間、
木原龍一のユニフォームに輝いていた文字。
【木下グループ】
2013年、無名の23歳に手を差し伸べた会社の名前。
10年間、結果が出なくても信じ続けた会社の名前。
29歳でパートナー解散の挫折も、30歳での新ペア結成も、ずっと支え続けた会社の名前。
その社名が、世界中に映し出された。
木下グループ本社では、社員全員が泣いた。
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そして、2000万円
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木下グループが発表した特別ボーナス、2000万円。
『高い?』
いや、計算してみよう。
支援期間:11年(2013-2024)
給与・練習費・遠征費:年間約500万円
総額:約5500万円
2000万円は、『投資の回収』じゃない。
これは、『ありがとう』だ。
11年間、社名を背負い続けてくれた
木原龍一と三浦璃来への、『お疲れ様』であり、『おめでとう』であり、『これからもよろしく』だ。
木下祐次社長のコメント:
「木原選手は2013年から当社の名前を背負ってくれた。
結果が出ない時期も、決して諦めず努力を続けた。
この金メダルは、木原選手、三浦選手、そして当社全員の誇りです。
ボーナスは当然のこと。
むしろ、彼らへの感謝の気持ちが形になっただけです」
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木下グループという会社
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創業:1957年
事業:不動産、建設、介護、スポーツ
理念:「人を大切にする経営」
この会社は、
『すぐに結果を求めない』を大切にしている。
だから、結果が出ない10年間も、木原龍一を支援し続けた。
それは、木下グループにとって、『当たり前のこと』だった。
ビジネスじゃない。
人と人との、信頼だ。
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木原龍一のコメント
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記者会見で木原は、こう語った。
「木下グループがいなければ、今の僕はいません。
2013年、23歳の何の実績もない僕を信じてくれた。
パートナーが解散して引退を考えた時も、 『続けろ』と言ってくれた。
29歳で新しいペアを組む時も、『応援する』と言ってくれた。
11年間、信じ続けてくれたことに、この金メダルで恩返しができて嬉しい。
木下グループの社員の皆さん、本当にありがとうございました」
その目には、涙が光っていた。
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11年の支援、数字で見ると
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支援開始:2013年(木原23歳)
金メダル:2023年(木原33歳)
支援期間:11年
その間の成績:
・世界選手権メダル:なし
・五輪出場:2022年北京(8位)
・全日本優勝:2020, 2021, 2022年
つまり、最初の7年間(2013-2019)は、全日本すら優勝していない。
それでも、木下グループは支援し続けた。
これは、『すぐに結果を求めない』
日本企業の美学。
長期的視点。
人を信じる力。
そして今、その美学が金メダルという形で報われた。
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この物語が教えてくれること
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企業とアスリートの関係は、『スポンサー』と『広告塔』だけじゃない。
木下グループと木原龍一は、11年かけて、『家族』になった。
すぐに結果を求めず、長期的に信じる。
それは、ビジネスでも、人間関係でも、同じこと。
11年越しの金メダル。
2000万円のボーナス。
これは、『信じ続けること』の最高の報酬だ。
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追記
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ちなみに、三浦璃来も木下グループ所属。
つまり木下グループは、『りくりゅう』2人とも支援している。
これからも、この最強ペアを支え続けるだろう。
次は五輪金メダル?
それも、きっと叶う。
なぜなら、木下グループが信じているから。
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