mixiユーザー(id:67073406)

2026年01月07日11:21

18 view

マイケル・ジャクソンと一枚の写真

Facebook「過去の日々」

1987年、マイケル・ジャクソンが東京・永田町にいたころ

1987年、バブル景気の東京は夢の頂点にあった。
それは「見た目」が重視された時代で、金時計、スーツ、ブランド物のバッグが大人たちの共通言語だった。
しかし、永田町のとある小学校で、その日の主役は地球の反対側からやって来たスーパースターと、まだ幼さの残る子どもたちだった。

マイケル・ジャクソンは、アルバム『BAD』を発表したばかりで、ワールドツアーも絶頂期にあった。
彼の一挙手一投足は大きな話題を呼び、フラッシュが追いかけていた。
しかしその日、彼はステージの王者という肩書きを外し、この普通の小学校を訪れていた。

子どもたちは彼を取り囲み、笑い、見つめていた。
その目にはスターに対する畏敬の念はなく、純粋な驚きと喜びだけがあった。
彼も腰をかがめ、彼らの話に耳を傾けていた――まるで、自分自身がかつて持ち、忘れかけたある時間に戻ったかのように。

その一枚の写真は、日本の昭和という時代の終わりに、最も穏やかな一瞬を捉えていた。

写真の背景には、当時の日本社会が映し出されていた。
経済は狂奔し、街は急速に姿を変えつつあったが、校庭のチャイム、教室の木製の窓枠、さびついた鉄棒は、どこか心を落ち着かせるようなゆったりとしたリズムを保っていた。
そんな日常に、ジャクソンの訪問は、この学校の時間により長い余韻を与えた。

彼は去り、脚光を浴びるステージに戻った。
子どもたちも成長し、人混みの中に消えていった。
しかし、その日の日差しは柔らかく、風は優しく、すべてがレンズに静かに記録されていた。

あの年、奇跡が起こったわけではない。
ただ、その一瞬だけ、時は確かにゆるやかに流れていた。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する