忘れられた真実
復興支援のため、イラクの地に降り立った日本の自衛隊。
彼らを視察に訪れた海外の部隊は、目の前の光景に一様に驚愕した。
そこには、現地の人々と一緒になって穴を掘り、笑いながら昼食をとる、自衛隊員たちの姿があったのだ。
上官も部下も関係なく、汗と泥にまみれて力仕事を手伝い、日が暮れてもなお、現地の人々と共に働き続ける。
それは、他国の軍隊では決して見られない、あまりにも異様な光景だった。
当時、部隊を率いていた番匠一佐は、現地の人々にこう語りかけた。
「我々日本も、60年前の大戦で国土は焦土と化し、食料にも困る日々が続いた。しかし、祖父母や父母の世代が、その瓦礫の中から立ち上がり、世界第2位の国を築き上げた。偉大な歴史を持つあなた方に、同じことができないはずがない」
その言葉は、単なるリップサービスではなかった。
自衛隊員たちは、その言葉を自らの行動で証明したのである。
やがて、その熱意は、イラクの人々の心を動かし始める。
他の国の部隊が駐留する地域では、午後3時になればさっさと仕事を切り上げて帰ってしまう現地の人々が、自衛隊の宿営地では、終業時間を過ぎても、隊員たちと一緒に汗を流すようになっていた。
なぜ日本の自衛隊だけが、これほどまでに現地の人々の心を掴むことができたのか。
それは、彼らが上から目線で「支援してやる」のではなく、同じ目線に立ち、共に汗を流す「友人」として、彼らに寄り添ったからに他ならない。
銃ではなく、スコップと笑顔を手に、彼らは砂漠の地に、平和という名の種を蒔いたのだ。
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