mixiユーザー(id:6769408)

2024年11月03日14:46

38 view

井上鑑 RHAPSODIZE

1. DIA
2. As Dark as Night
3. Woodstock Lost
4. 451F
5. Let the Water Flow
6. The Rift (Stepped Out)
7. Son of Duchamp
8. Heading Nowhere
9. Saga for Saga
10. Silverly Field
11. Who Forget?

ALDELIGHT MHCL10159

井上鑑はアレンジャーやキーボーディストとして有名ですが、オリジナルアルバムも出しており、1980年代初期のLPで『預言者の夢』、『CRYPTOGRAM』を持っています。3枚目の『SPLASH』も聴いた気がするのですが、この辺になると記憶があやふや。「リンドバーグ物語」や「メフィストフェレスとのドライヴ」などがかっこよくて好きでした。当時の東芝EMIで「ニューウェーブ4人衆」(ほかの3人は稲垣潤一、安部恭弘、鈴木雄大)として売り出されていましたが、40年経っていまや70歳を数えるベテランに。そんな彼の最新アルバム(2023年リリース)を聴きました。

前半5曲と後半6曲はそれぞれ<PROSPECT>、<PRUDENT>と題されて分かれており、開始から迫力のサウンドに圧倒されます。昔から「先鋭的」などと言われていましたが、いまなお健在というかさらに凄みを増している。いくつかかいつまむと、1曲目「DIA」は、ホーンセクションを駆使してオープニングにふさわしい豪華さとずっしりした手応えがあります。セッションかな? ジャズに詳しくないみっちですがウェザー・リポートを思い出しました。初期アルバムではサウンドの魅力に比べると本人のヴォーカルの訴求力がやや物足りないと感じたものですが、今回は年齢ゆえ?渋みと厳しさが加わって十分に聴かせます。3曲目「Woodstock Lost」では、吉田美奈子をゲストに迎えての驚きの二重唱。4曲目はインストゥルメンタルで、大きな三拍子の中に3分割3分割2分割のような変拍子要素を取り入れた複雑なリズムがめくるめく。これだけで9分もあります。9曲目「Saga for Saga」では漢字二字熟語の連呼で、かつてCMにも使われた「Gravitations」を思い起こさせて懐かしい。

収録時間は67分超え。全曲を通じて重いものを突きつけられているようなインパクトがあるのは、サウンドや構成を含めた全体のコンセプトに原因がありそう。例えば上記した4曲目のタイトル「451F」。これは、『華氏451度』のこと? 6曲目には「どうして? どこまで? いつまで?」、最終11曲目には「誰の忘れ物? 子供の指と銃のきらめき」や「さび付いた箱に眠る原子核」といった、ディストピアあるいは終末的世界を暗示するような言葉が散りばめられています。また、5曲目「Let the Water Flow」はアフガニスタンで亡くなった医師・中村哲に捧げられている。これらからすると、いまの世の中に対する井上鑑の怒りが込められていると考えて不思議はないかと。

アルバムタイトルの「ラプソダイズ」は、ラプソディの語源となった古代ギリシアの詩人を意味するラプソドスの動詞形らしいですが、表紙絵のバベルの塔を思わせるような構造物やブックレットの下段でアルディピテクス属から始まって井上鑑までの系譜が続くイラストなどの凝った意匠も含めて、これらが何を表し示唆しているのか、気になっていろいろ調べたくなる。そういう点でも、一粒で何倍もおいしいパッケージでしょう。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年11月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930