CTを少し広い範囲で撮影依頼する。
放射線科医師が読影する。
依頼医師は放射線科医師のレポートなんぞ読まず、
自分の専門範囲(この場合泌尿器科)だけ自分で見る。
結果、他科疾患を見逃す。
最近、この手の「医療ミス」が多いような気がする。
厳密には、いわゆる医療ミスとは言えないかな。
たとえば泌尿器科医師が泌尿器科手術でミスして尿管切断するとか、
泌尿器科医師が腎臓疾患があるのに見逃すとか。
そういうのは明らかに医療ミスなんだけど。
今回みたいなのは、肺がんがあるのに泌尿器科が気づかなかった、ってことで。
もちろん放射線科医師は気づいてレポートを出した。
このニュース文章では「良性腫瘍と思い込んだ」ってあるけどたぶん違う。
放射線科医師のレポートを読んでいないと思う。
読んでいたら、患者さんに
「泌尿器のほうは大丈夫だけど肺に何かあるみたいだから呼吸器に相談しますね」
と言って院内紹介すりゃいいだけ。
他科疾患が悪性か良性かなんて考えないと思うよ。
じゃあなんでレポートを読まなかったのか?
…たぶん、だけど。
放射線科医師をバカにしてたんだと思う。
自分で治療しないで診断だけやる医者のことをバカにしてる医者は
けっこういる。
バカにされてることを知って体を小さくして勤務してる放射線科医師も知ってる。
でもそんなの、おかしくない?
CTとるように放射線科技師に依頼するのは誰でもできるけど、
画像をすみからすみまできちんと観察、評価する専門家が放射線科医師なんだから
いくら自分の専門臓器でも、自分は気づいてないことがあるかもしれない。
ましてや他疾患に気づかないことは当然ある、教えてもらってありがたい。
お互い助け合ってやっていくのが総合病院ってものじゃないのかね?
まだ研修医の時、麻酔科研修をして、眼科白内障手術の術前回診をした。
データチェックしたとき、胸部レントゲンが明らかにおかしかった。
上司に見せたら「胸部外科の手術室に行って見せて」と言われた。
胸部外科の手術室のシャーカステンに写真を張って見せたら、
手術中の先生が顔を上げていやーな表情になり
「明日ウチの外来に出してって眼科の先生に言って」となった。
胸部写真の真ん中、心臓のあたりが大きく広がって映っていたのは
ぱんぱんにふくれた「胸部大動脈りゅう」だった。
患者さんは翌日胸部外科に転科して大動脈置換の大手術を受けた。
眼科の先生は胸部写真を見ていなかったことがのちに判明。
…ということもある。誰かが気づけばいいのだ。
あと考えられるのは、医学部付属病院なのであまりないことかもしれないけど、
たとえば放射線科トップ(教授)が名大出身じゃないとして、
泌尿器科が名大出身メインで固められてたとすると、
科どうしがあまり仲良くない(相手を信用してない)って可能性もある。
そういう場合、きっとどこかで大きな問題が起きるんだけど、
お互い様でプライド捨てられず、患者さんに迷惑かかることになる。
ずっと昔、付属病院じゃないけど総合病院で、
産婦人科が夏休みで手不足のとき腹痛の患者さんが入院して、
手術の順番(医師の手が空く)を待ってたときに、
腹腔内の腫瘍が破裂して、感染性腹膜炎ショックを起こして亡くなった。
外科は手が足りてたので外科に助手をお願いすれば
もっと早く手術ができたんだけど、上記したような状況があって
産婦人科は外科に声をかけられなかった。
患者が死んだあとで外科は「なんで頼まなかった?」とさんざん非難して、
当時の産婦人科部長は自殺した。
…ってとこまでいくからさ。
お互い、同じ病院の医者なら仲良くしようよ。
ちょっと気に入らない相手でも、プライベートで付き合わないのはいいから、
職場では協力関係を大事にしようよ。
ワシがここにこんなこと書いても何にもならんのだがな。
だってその病院の上の先生たちは、みんなわかってたはずだから。
そのうち問題起きるよね、どうにかしなきゃ、と思ってるうちに
こんなことになってしまった。
大きい組織の経営と人事は難しい。
小さいクリニック経営でも医療以外の問題で困ったりするんだから。
それにしても、病院なんだから、患者さんの不利益になることは
絶対にダメ、今後の対策をしっかりしないとまた起きるよ。
■肺がん疑い、3年余放置=通院の高齢患者死亡―名古屋大病院
(時事通信社 - 04月11日 21:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7822493
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