・ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第1番変ホ長調 作品1-1
・メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 作品49
・クララ・シューマン:ピアノ三重奏曲ト短調 作品17
中村太地(Vn)、辻本玲(Vc)、佐藤卓史(Pf)
2024年4月6日(土)、ウェルとばた大ホール
このトリオによるCD発売記念ツァーということで、国内5ヶ所を回るその4回目が北九州すなわち太地くんの出身地でした。トリオのメンバーは、2年前でしたか「ラーク音楽祭」としてブラームスのピアノ五重奏曲やシューベルトの弦楽五重奏曲などを演奏したときの仲間で、おそらくその前後に三重奏もやろうということになったものと推察します。
ベートーヴェンの作品1はたぶん初めて聴きました。ベトベン、最初からいい曲書いてるよね。メンデルスゾーンは、「玲さま」こと辻本玲のための選曲ではないかと思われます。冒頭からチェロが朗々と歌い、うねる演奏で、本来ならこれがメインとなってもおかしくないところ、休憩後に演奏されたのはロベルトじゃなくてクララ・シューマンの珍しいピアノ三重奏曲。これがなかなかの佳曲でした。旋律がきれいで耳に残る特徴があり、展開も流れがよく、ぎこちなさがありません。発売されたCDには、クララのこの曲と、ブラームスのピアノ三重奏曲第1番が収録されており、演奏後にピアノの佐藤卓史は「親交があった二人というか、親交以上のものがあったとも噂される二人の曲」だと意味深な紹介をしていましたf^^;。アンコールは、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の音楽。
演奏は、自由で繊細なヴァイオリン、パワフルなチェロ、バランスに優れたピアノという組み合わせが新鮮でした。ホールのピアノがベーゼンドルファーだったことも、弦の響きとの親和性が高くて効果的だったと思います。ただ、あえて言わせてもらうとf^^;、音量的に玲さまが太地くんを食い気味です。弦のユニゾンでチェロが優勢なのは音響バランスのあり方としてまだわかるのですが、ヴァイオリンが主旋律、チェロが対旋律のときにチェロがしばしば圧倒的なのはどうかと。アンコールではじめヴァイオリンとピアノだけのときはうるっと泣けたのに、チェロの太い音が入ってくるともうそっちしか聴こえないという状況が典型的でした。逆に言えば、太地くんも負けじと張り合うことが必要なのかも。一人ひとりはすごくいいので、チェロが終始雄弁に主張するのではなくときには裏に回ったりという出し入れができたらいいんじゃないかなあ。とはいえ、三重奏の場合は名人が集まってそれぞれの道を行くというスタイルもあるから、そっちをめざしているのならこれでいいのかな?
連れの友人は、クララの曲に感動したらしく、CDを買って3人のサインをもらおうとしたんですが、二人が客席でアンケート書いているうちにCDが売り切れ(ーー;)。太地くんが一人最低1枚以上買ってというお願いしてたので、だれか買い占めた人がいる? この次は、ぜひロベルトの3曲を聴かせてくださいよ!
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