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2024年01月11日08:28

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「飲むな危険」

北海道の地震のときのこと。
支援物資として赤ちゃん用液体ミルクが送られてきた。

東日本大震災のときは、これは日本にはなかった。
母乳が出ていたお母さんでも、ストレスで出なくなった場合も多かったので
赤ちゃん用ミルクの需要は多かったのだが、
電力がたたれて粉ミルクを溶かすお湯がなく、
哺乳瓶がなく、あったとしても使用後哺乳瓶の消毒ができない。
(注;知らない人もいるかもしれない、哺乳瓶は使ったら必ず消毒するんだよ)
どうしたか、と言えば、
「紙コップに水をいれて粉ミルクを溶かして(あまり溶けないで粉が浮いてる状態)
紙コップのふちを折って角をつくり、その角から赤ちゃんのクチに流し込む」
もちろん赤ちゃんがむせないように少しずつ。
水分と粉ミルク成分は赤ちゃんの体内で混ざり合って胃から吸収されるが、
なれない紙コップ授乳は時間もかかり、赤ちゃんにもお母さんにも負担だった。
それでも赤ちゃんが飢え死にしないよう、必死だった。

2016年の熊本地震のとき、海外からの支援物資で「液体ミルク」が入ってきた。
これは、容器に乳首をつけたらそのまま飲める便利なもので
(哺乳瓶に移すタイプもある)
長期常温保存ができる。ただし一回開けたら使い切り、残ったら捨てる。
乳首も使い捨てのものがついてたりしてとても便利だ。

液体ミルクは便利であるが、粉ミルクより製造にお金がかかる。
海外では、乳業会社に液体ミルクを製品中一定割合の生産義務を課している。
もちろん災害時に国の赤ちゃんを守るためである。
日本はこの決まりがなく、乳業メーカーは生産コストの安い粉ミルクしか作らない。

熊本地震後に「粉ミルクと液体ミルク」の事情について報道されると、
災害時に備えて日本でも液体ミルクを作るべき、との声が
全国のお母さんたちから上がった。署名運動なんかもあったと思う。
それで、少しずつながら乳業メーカーが液体ミルクを作り始めた。
災害時だけではない、旅行中の授乳や、夜間の授乳に
手間をかけないで赤ちゃんに飲ませることができる液体ミルクは
けっこうな人気が出た。
残ったミルクを飲ませて食中毒が出ないような宣伝も始まった。

北海道で大きな地震があったのは、2018年のこと。
国産液体ミルクを作るべきだ、という話が出たあとで、
まだ国産が始まってない時期。
北海道の役場に届いたのは、だから外国産の液体ミルクだったはず。
ラベルは外国語だが、日本語の説明はついてたはずなのだ。
赤ちゃんにこのまま安心して飲ませることができます、とか。
ところが、いったいどうしたことか
その役場では液体ミルクを片隅の机の上に積み上げて、
大きな紙に大きな字で「飲むな危険」と書いて放置した。
このことが、ある程度状況が落ち着いてから表に出て大騒ぎになった。
役場は「どういうものかよくわからなかったので安全確認するまでの間」の
臨時の置き場だった、と言い訳したが
日本語の説明もついてたし、社会的にも報道され話題にもなってたのに。

今回は日本の乳業メーカーが作った国産液体ミルクが寄付された。
液体ミルクの知名度も上がり、メーカーもよく知られているので、
もし北海道の某役場みたいなバ@(一部伏字)役人しかいなかったとしても、
「飲むな危険」扱いはされないと信じている。

追記;
文章中にも書いたが、外国産だと「ミルク容器に使い捨て乳首をつけて」
そのまま飲ませ、そのまま捨てられる便利な製品がある。
熊本地震のときはそのタイプが送られてきた。
確認してみたら、国産液体ミルクは
「哺乳瓶に移して飲ませる」タイプしかない。
これを送られても哺乳瓶がないとか消毒ができないとかの環境では
あまり役立たない。
これを機会に「使い捨て容器に使い捨て乳首」のついたタイプを作るべきと思う。

■明治、乳児用液体ミルク増産へ=能登地震後、受注2倍超―断水時、使いやすく
(時事通信社 - 01月10日 21:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7706430
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