「指輪物語」の著者J・R・R・トールキンが現代英語訳したことで知られる14世紀の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」を、「スラムドッグ$ミリオネア」のデブ・パテル主演で映画化したダークファンタジー。「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」のデビッド・ロウリーが監督・脚本を手がけ、奇妙な冒険の旅を通して自身の内面と向き合う青年の成長を圧倒的映像美で描く。
アーサー王の甥であるサー・ガウェインは、正式な騎士になれぬまま怠惰な毎日を送っていた。クリスマスの日、円卓の騎士が集う王の宴に異様な風貌をした緑の騎士が現れ、恐ろしい首切りゲームを持ちかける。挑発に乗ったガウェインは緑の騎士の首を斬り落とすが、騎士は転がった首を自身の手で拾い上げ、ガウェインに1年後の再会を言い渡して去っていく。ガウェインはその約束を果たすべく、未知なる世界へと旅に出る。(映画.comより)
<2022年12月31日 劇場鑑賞>
この監督を知らないです。A24が常に凡作を選ばないことは重々承知しているのですが、それにしても奇異な映画でした。映画を見ている最中は「”君の名前で僕を呼んで”の監督に違いない」と思っていました。なんとなく、感触で。でも、全然違いましたね(笑)。やっぱり凡人の感触なんて、当てになりません。
物語は、たぶん若者の成長譚だと思うのですが、どこまでが現実でどこからが空想なのか、よくわかりませんでした。まぁそもそも、自分の首を切らせに来た岩のような緑の騎士なんて、最初からあり得ない設定なんですけどね。デヴ・パテルの英語がすごく流暢になったなぁ、とか、ものすごくどうでもいいことに感心したり。アホですみません。
しかし、この映画のおかげで「アーサー王には子供がなかったのね」とか「いざ緑の騎士に挑まれたとき、円卓の騎士たちは誰も名乗りを挙げなかったのね」とか(王は歳を取って体が思うように動かないという設定だったので、あるいは騎士たちも歳を取っていたのかもしれないが)、そういうことは勉強になりましたけれども。それで、自分でもまだまだ未熟だと思っていたガウェインが、恐れ多くも引き受けることとなり、1年なんてあっという間、だらだらと酒を飲んでいるうちに過ぎ去り、緑の騎士を探して旅に出ることになってしまいます。
その旅路で、ガウェインはありとあらゆる経験をするのですが、その経験と並行して彼の違う姿も描かれます。例えば、失敗して死んでしまった映像。でも、やっぱり彼は次へ進んでゆき、旅は続きます。まだ来てもいない未来が鮮明に見えたり、こんな不思議なことが何度かあります。どちらが本当なのかはわかりません。あるいは生きているほうが虚構なのか、その未来はウソなのか。よくわかりません。でも、とにかく話は前へ進みます。
芸術的な、感覚で見るような、あるいは監督の自己世界で完結するような、そんな感じの映画でした。私のような超・凡人にはわかりづらかったです。それに、少し長いんです。でも、デヴ・パテルは、とてもよかったと思います。自信のない若者を上手に演じ切り(もうそれほど若いことはないと思うのに)、そうかといって旅の終わりには自信満々になるわけでなし、微妙なさじ加減がとてもうまかったと思います。ところで、彼に絡む女性が何人か出て来るのですが、すべてアリシア・ヴィキャンデルが演じていたと思うのですが、違うでしょうか。多分、最後に出て来る若い王妃だけが違う女優さんかと。それともまさかあの若い王妃まで?わからないです。
ともかく、不思議な映画でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する