私も2010年ごろから断続的にロシアの情報を眺めてたんだが・・・
ロシア国内の情報はなんだかんだでけっこう見ることができていた。もちろんぁゃιぃ情報も多く「ネタだろこれ」と笑えるものもあったぐらいで、ある意味楽しめた。
(私はもともとロシアの文化は大好きであり、今でもそれは続いている)
が、クリミアうんぬんの頃に気になって探し始めたのだが、ウクライナについての情報・報道は驚くほど少ない、というか、ウクライナ発の報道はほとんど見つからなかった。見つかっても欧米経由か、ロシア経由のものばかりで信憑性があるのかこれ?というものがあまりにも多かった。
普通、どこかの国とイザコザがあるならなんらかの主張があってもいいと思うのだが・・・せいぜい政権・大統領がかわるたびに欧米に近づいたり、ロシアに近づいたり、外から見れば「定まらない国だなぁ」という印象になっていた。
一方、私がロシアに抱いている印象は「交渉の国」だということ。
江戸末期にアメリカのペリー提督は幕府を大砲で脅して不平等条約を結んだのは有名だが、ロシアのエフィム・プチャーチン提督(全権)は幕府代表の筒井政憲、川路聖謨らと延々交渉を行った。途中、安政の大津波が発生したとき、ロシア側は自分たちの船(ディアナ号)はマストが折れ、船体も浸水がひどかったにもかかわらず、船医や乗組員を派遣して傷病者の手当を申し出ている。最終的には(最恵国待遇を除き)ほぼ平等な条約を結ぶに至っている。航行不能となったディアナ号の代わりに、日本で西洋式の帆船を作っている(日本の船大工に西洋式の帆船を作る技術を伝えている)。これはもちろん、双方にメリットのあることだった。
それから、朝鮮の日和見やらなにやらがあって、不幸にも日露戦争に突入してしまったのだが・・・講和条約の締結時もアメリカ(ルーズベルト大統領)の仲介で小村寿太郎らはセルゲイ・ウィッテ全権代表と公式・非公式の交渉を繰り返し「それ以上戦争をつづけられなくなっていた」両国間での和平条約を結んでいる。戦時賠償金を取れなかった、と大変な反発を食らうことになったのだが、後には「大変よい仕事をした」と評価されている(ポーツマス条約締結)。
太平洋戦争ではソ連が不可侵条約を一方的に破棄して北海道方面に侵略を行ったが、条約・協定・合意の一方的な破棄を通告・実施するのはそれ以外でもよくあることだし、なにより連合国側だったソビエト(ポーツマス条約ではかなり不利な条件を飲まされていた&ドイツにとてもひどい目にあわされていた)が不可侵条約をそれまで守っていたことのほうが不自然かもしれない。満州などからの日本人抑留についても、当時の日本政府・復員省には大陸にいた日本人を復員させる能力がなく、残留した人々に対し「現地にて同化せよ」と言わざるを得なかったことも事実。ひどい話だが、現地人から恨みを買っていた者も多かっただけに、現代の難民と同様、命の保証などなかったのである。
その歴史を現代のロシアでは子供たちにきちんと教え、高校生が遺骨収集なども行っていた。
1970年代末、アメリカは「ソビエトがアフガニスタンに侵攻した!」と大騒ぎした。それで日本を含む多くの国がモスクワオリンピックをボイコットすることにもなったのだが、ゴルバチョフが情報公開を行った公文書の中に「アフガニスタン政府から数回にわたって軍を出してくれという要請が来ていて、当時の書記長であったブレジネフが病気で執務不可能な中、延々会議が行われ、軍の派遣を行ったことが確認されている。
そしていまだに「ソ連によるアフガン侵攻」として通っている。
さて、2014年のクリミアだが・・・当時のクリミアは「一応」議会もある共和国(ソビエト時代から引き継がれていた)だった。2010年ごろから始まっていた「アラブの春」で発生した難民もトルコをつうじて流れ込んでいた可能性はないだろうか?
だとすれば社会的には不安定になっていたはずだ。また、無国籍の人びとは当然その国に国籍を求めるだろう。
が、つい最近まで、ウクライナ東部を含め、多くのひとびとがウクライナ国籍を認められない人々が多数いたことをUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)やICRC(国際赤十字委員会)の報告書が伝えている。
数十万人以上のひとびとが国籍も仕事も食料も与えてくれないウクライナから(帰化を認め、パスポートも発行してくれる)ロシアに向かった、というのも不思議ではない気がする。
ブルガリアなどへの天然ガス供給をロシアが止めた、という話もあったが、ロシア側の発表ではウクライナを通るパイプラインで「使い込み」が発覚したが、ウクライナが天然ガス代金を支払わず(後に交渉によって値引き提案などが行われたらしい)、このままでは供給ができない、と通告されても改善されなかったらしい。これまたロシア側の言い分のみだが、ウクライナ側の情報は見つからなかった。
侵攻の数か月前から、ロシアでCOVID-19感染者数がいきなり数十万人ほど増えている。ロシアでなくても、難民といっしょに感染症を持ち込まれたとしたら激怒するとは思うのだが・・・
この推測も、主にロシアの報道などがもとになっているので、誤りはあるかもしれない。が、ウクライナからの情報があまりにも少ない。邪推すれば「とても不都合なので隠している」となる。
もうひとつ、とても大切なことがある。
「ロシアによるウクライナ侵攻」を俯瞰して一番得をするのは誰か、という視点だ。
世界の小麦の10%を支えているのがウクライナの肥沃な大地だ、という話はだいぶ宣伝されたが、世界の小麦の20%を支えているのがロシアである。農業を支えるリン鉱石などの大輸出国もロシアだ。
ロシアがウクライナを丸ごと占領したとしても、資源的・経済的なメリットはさほどない。農業・漁業・林業・工業はもちろん、石油・天然ガスなどを持っているのはロシアであってウクライナにはあまり資源はない。
軍事的にはNATOがロシアを毛嫌いしているので、ロシアとしては緩衝地帯がなくなるのは大変困る、ということだ。
ロシアとウクライナ間の外交交渉については2010年代から今まで、なにもわかっていない。ほとんどはアメリカをはじめとするNATO諸国からの情報のみだ。アメリカには「ソ連によるアフガン侵攻」という「成功例」がある。
そしてウクライナに莫大な軍事支援を行っている。武器弾薬、食料などだけでなく、軍事情報の提供や指揮官の派遣なども行っているという。まるで「悪いロシア人を殺すためなら金は惜しまん、どんどん殺し合え」といっているかのようにも見える。ロシアが弱体化し、ウクライナを借金まみれにすれば、NATOの基地をロシアのすぐ近くに持って行くことも容易だ。
戦争後に残るのはウクライナ・ロシア双方の憎しみ会いと、ウクライナ国民に課せられた莫大な借金返済である。
ドナルド君もジョー君も、ロシアやウクライナと交渉して戦争を止めるだけの能力はない。金儲けやらアメリカの国益やらを追い求める能力があるかもしれんが・・・本当にそれでよいのだろうか?
ウクライナに聞きたいのは「戦争を続ければウクライナはどんどん借金が積み重なり、アメリカの言いなりになった上、地獄の返済を要求されるがそれでいいのか?」。
ロシアに対して言いたいのは「これまでの経緯を外交交渉も含めて公開したらどうだ?」。
マスク氏の「和平案」が通用するとは思えないが、双方のデメリットを考えれば世界各国は「和平案」を出すべき段階ではなかろうか、と思っている。
「ロシアだけが悪い」ではなく「ロシアの行為は悪いものだった」からスタートしなければならない。
■イーロン・マスク氏が「ロシア寄り」和平案 ウクライナは猛反発
(朝日新聞デジタル - 10月05日 20:19)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7137311
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