『相棒』“4代目”冠城亘、最後の事件は因縁キャラが勢ぞろい 木村佳乃、榎木孝明、柄本明ら登場
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「相棒」は、しばしば破たんしているドラマです。
例
大東京に出てきた焦点人物が、偶然、東京で、花の里の女将に出会う。
冒頭のシーンでマンションに侵入してきた二人組に首を絞められている女性が、愛人である大物フィクサーの座敷で日本刀で刺されている。しかも、無理矢理連れ去られたという設定ではない。
しかし、何で面白いか。
杉下右京という主人公の探偵のキャラクターの面白さといってしまえば、それまでです。
だが、より正確には、彼を巡る人間関係の面白さでしょう。
「相棒」が、コナン=ドイルのシャーロック=ホームズものを参照しているのは異論の挟みようがないところでしょう。
ホームズも、ワトソンに推理の講釈をする、依頼人のモーティマ博士やヘンリー=バスカ―ヴィル卿らと話す。そのやり取りや切り口が面白いですが、「相棒」も同様の面白さがあります。
なぜ、日本には魅力的な現代小説が少ないかを考えたことがあります。
その際の暫定的な結論は、大人が必死になっているテーマが、あまりにも現実的で低級だということです。大人は何に必死になるか。たとえば、住宅ローンであり、会社の派閥抗争であり、子どもが附属中学校に合格することです。
当事者にとっては重大な問題でしょう。時には感動的なこともあるかもしれませんが、第三者的には、泥臭くてダサい話に過ぎません。
つまり、日本には中産階級がないから、
ローレンス=ダレル、チェーザレ=パヴェーゼ、マルグリット=デュラス、ピエール=ド=マンディアルグ、ガルシア=マルケス、フリオ=コルターサル
のような作家が出ないと。(一部の作品が面白い三島由紀夫、突き抜けた天才である稲垣足穂などをどう位置付けるかは、別として)
だから、普通の日本の小説(キリスト教が絡まない遠藤周作など)は、読む気がしません。志賀直哉の『暗夜行路』に、「それが、どうした」と感動出来ないのと同じです。
「相棒」のように背景の現実をシャットアウトする、あるいは、なきがごとく設定すると、精神の機微を描けると思います。
たわいもない話ですが、角田課長は、定年後年金暮らしをする老人となるのでしょうが、そういう話とは無関係に、「よっ 暇か。」と声をかけるあのキャラクターが心に残り、何を考えている人か知りたくなると。
その点では、ホームズの生活設計を暴露したホームズものよりも高級だと思います。
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