文章中にもありますけど、高度、ってのは体外受精含めそれより高度、ってこと。
外からホルモンをいじるとか人工授精とかじゃなく、
卵そのものをいじる過程を含むやつです。
そこまでいくにはそれなりに時間と手間がかかりお金かかってます。
昔は不妊治療そのものがなんかタブー、人に言えない感じもあったみたい。
最近はけっこう気軽に来てくれるようですが、それは
「みんな一度は行ってる」「1,2回治療したら妊娠できる」と思っているから。
検査したらなんかアレでちょっとコレで、じゃあ治療はまずこんなとこから。
この説明からはじまって、その段階でうまくいかないと(5,6回かな)次、
それでだめならその次、となって「高度不妊治療」にいきつくわけ。
数回の通院で妊娠できると思ってたお方にとっては
「え?」って感じ、「どうなっちゃうの?」って感じでしょうね。
そして今現在の不妊治療は男性不妊についてはほぼ「打つ手がない」のです。
精子の質が悪い、精子の数が少ない、のは治療できませんので、
不妊治療で通院必要なのは主に女性。
家庭があれば家事を省略し仕事があれば休みをもらい、
受診のたびに会計で払うお金はだんだん高額になるし、
有給の日数が減っていくとか家の中がだんだん片付かなくなるとか、
「うつ」になる原因てんこ盛りです。
しかも、最初は無邪気なのであまり気にならなかった「妊娠率」を調べたら
なんとびっくり、年齢とともに急速に低下するじゃないですか。
不妊治療に通えばすぐじゃなくても最終的には妊娠できる、と信じてたのに
最終的に妊娠できない場合も決して少なくないと認識した時の驚き。
…お気の毒です。
卵子が何個受精したか、で何回子宮に移植できるか決まる、
子宮に移植しても2週間後に生理が来れば「妊娠できなかった」と自分でわかる。
次回の治療をどうするか、病院に連絡しなくちゃならない。
電話して「ダメだったんですが」と言う回数が増えるたびに落ち込む。
あなたが悪いんじゃない、すべての妊娠は偶然起きる奇跡なんです、と
主治医は何度も言うけど、その奇跡がどうして自分だけに起きないのか?
(…実は「自分だけ」じゃないんだけどそう思ってしまう)
自分より成績の悪い同級生もヤンキーで退学になった後輩も妊娠してるのに、
なんでなんで、弁論大会準優勝で生徒会書記だったこの自分が妊娠できないのか?
…などと考えてしまうわけです。
自分を追い込んではいけません。
あなたの主治医の言うとおり、すべての妊娠は偶然が重なった結果の奇跡です。
奇跡は平等に訪れるけど、全員には訪れない。
不妊治療は「妊娠したいあなた」の背中をそっと奇跡の方向に押すのが仕事。
押しても奇跡に触れない場合もありますよ。
でもそれは、あなたが悪いわけでも夫が悪いわけでもない。
それだけです。
…と言い続けて仕事してた昔もありますが、
どうにもこうにも続けられませんでね。
だって気の毒すぎるんだもん。
子ができたらまあ一応いいけど、
できないで去っていく場合、その治療にかけた時間とお金、戻ってきません。
ダンナと海外旅行行ったりおいしいもん食べたりできたのに、
とか絶対思うよな、と自分を責める不妊治療医者は続けられませんよ。
子がほしい、というのは本能の一種です。
その考えに支配され動かされる人生の一部があっても不思議ではないです。
ただ、子がいなくても自分らしく自分の人生を生きることはできる。
不妊治療をあきらめたときそう思う、その覚悟は最初から必要と思います。
追記;
一度経験あるんですけど、「生理きた、もうダメだ」となったあとで
子宮外妊娠と判明することがあります。
最近では「生理がきたと思っても尿妊娠検査は必ずする」ようですが、
昔は生理きたら基礎体温もやめちゃう患者さんもいたので、
実は卵管で異所性妊娠が継続、3週間後に破裂して出血2リットルで死にかける、
とかあるんですよ。
不妊治療後に出血しても生理じゃないこともあるんで、
基礎体温低下か妊娠検査陰性か、できちんと確認しないと怖いです。
…少量の出血なら「着床出血」という正常妊娠初期で見られる出血のこともあります。
■不妊治療初期、54%うつ症状=「精神面の支援必要」―成育医療研
(時事通信社 - 05月02日 07:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6504604
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