前回の艦本体編に続いて、今回は展示物、車両、搭載艇の紹介です
私的に超目玉の「ヒッポ」舟艇回収車
でも美味しい物の話は最後に取っておきましょう。
「バイキング」装甲車(BvS10)
英国だけに「シャドーモービル」にしか見えません
スエーデンのBv.206連接輸送車をベースに装甲車化した車両で、前部単体でも行動可能です。
後方は人員輸送、救急、物資輸送等各種タイプが有ります。
クローラトラックはゴム製。勿論ワイヤーかアラミド繊維のインナーが入ってて切れる事はありません。
ベース車が元々雪上機動を想定しているだけに、車体に対して過剰とも思えるトラック幅です。
接地圧を低く取れて軟質地でも沈むリスクはありませんが、反対に普通の地面や道路では転がり抵抗が過大で燃費は悪そうです。
ガスで膨らむフロートを側面展開し、水上航行が出来る水陸両用車です。水上走行はクローラの回転により推進力を得ますが、クローラ上部がエンクローズされておらず進行方向と逆ベクトルの推力を発生させるので、差し引きで効率は悪そうです。
よく水陸両用車と海岸上陸用車両(LVTP、AAV、DUKW、GPA、特四式内火艇など)を同じものとして語る人が居ますが、両者は別物です。
前者は水に入って浮く事が出来る自動車、後者は舟に地上走行装置が付いた物です。
後者は当然海上航行を前提としており、内陸部で普通の車両と同等に使う事を想定していません。陸に上がる事も出来る船です。
一方前者は波浪が有る海上航行が可能なものでは有りません。海に入る場合は海底に足が付く海岸近くの安全圏まで上陸用舟艇で運んでもらう必要があります。
バイキング装甲車は前者の部類に入ります。なので、コンパクトな車体と相まって海岸近くだけの行動に制限されず普通に内陸部で使えます。一方で水上速度は極めて遅く、海での使用は潮流に負けて操縦不能のリスクが伴います。日米の巨大なAAV7とは全く異質な車両です。
海兵隊の使う車両だからと、米英車両の性質を同じとして語るのは間違いです。
やはりシャドーモービルっぽい味わい。
こちらはアンビュランス(救急車)仕様の後部ユニットを連結してますね。
後部ユニットのさらに後方には様々な物を牽引する事が出来ます。
白黒の縞々は夜間に車間距離を測る簡易距離計測マーク。
計測といっても目視で縞々がどう見えるかによって、だいたいの距離を推測する経験値を問われる如何にも英独圏らしい仕組み。
後部ユニット貨物輸送仕様。
機銃座。
ハンドル回してだいたい敵の方向に向けておき、照準は手で銃を左右に振って使う旧日本戦車と同じ仕組み。
Buzzと書いてある部分、損傷後にオーバーホールして装甲は貼り換えたものの、その内側車体自体のコーキングが劣化して浸水してしまっているんだと思われます。
車体連接部分。
前後の接続は通信機能と動力伝達でかなり複雑です。
折り畳み式アンテナポール。
その下のサンドチャンネル状は、カモフラージュネット取り付けベースでしょうか。
後部ユニット、兵員輸送タイプ。
クローラのトラックは前方の起動輪で駆動されます。トラックの突起に起動輪の凹みが噛み合うタイプです。
右はレーション(野戦食)の試食に我先にと群がる人達
餌付け作戦が極めて有効とは流石腹黒い英国だけの事はあります。
クローラ後部。
転輪最前部と最後部にのみフリクションダンパーが装備されてる様に見えます。
一番後ろの誘導輪は接地するタイプ。
誘導輪を支える見えてる部分の水平のアームで上下サスを受け持ち、その先と車輪を繋げる死角にある縦のアームがイコライザー機能を受け持っていると推察されます。
ところでサスペンションのスプリング本体はどんな仕組みなんでしょうね
足回りのユニットをクロスメンバーで繋いで一種のラダーフレームとして、その上に水密ボディーが載ってる構造である事が分かります。
機銃座体験に沢山の人が並びます。
運転席。
まんま雪上車のイメージです。
ハンドルのノブに注目。
運転法は最近の軍用車両では標準であるオートマチック。
前方車内。
上の丸い穴が機銃座。
バイキングのベースと成った「Bv.206」の無線車仕様。
「カーペットレイヤー」
AVREボビンの現代版ですね。
英国の上陸作戦アイテムはとかく日本人にはバカにされがちですが、彼らは80年近く実戦で使い続けているんですから、私は合理的で有効な機材だと思います
というか、他国を卑下し、一方で自国の物を自慢する(しかも、さも自分が考えて開発し、調達予算全額負担したかのごとく得意満面な態度で)連中の脳構造ってどう成ってるんでしょうね。
本人達は自分を極めて優秀だと自負してるようですが、事実は愚か者故に自分は頭が悪いと理解出来ないただのバカです。
天井クレーンも見逃しては成らないアイテムです。
ご覧のように、ウエルドックを見ようとする人達が溜まってしまい、カーペットレイヤーを観察するのは至難の業です。
汎用トレーラー。
左は「ウルフ(LRディフェンダー)」ではなく、旧型の「ランドローバー」のようです。
英コマンド部隊的に肝心なのは右の車両ですが、不思議と皆ランドローバーに群がって写真を撮り、右の車両は無視するのが不思議です。
ランドローバーブーム?
上の右の車の正体は「ジャッカル」高機動車(HMT400)
SASジープやピンクパンサーの子孫ですね。
諸外国が小型戦闘車両は装甲車化の方向に進んでるのに対し、英国は全く逆に窓も屋根も無い車両へ。
流石、自虐的国民性の軍隊です。
こんな事もあろうかと、英国の出版社からこの車両の解剖解説書が発売された瞬間速攻購入したんですが、現在洋書の山の中腹にあって取り出し不能。肝心な時に役に立たないじゃん
ジャッカルの向こうのテント含めて兵器触り放題のサービスで皆超嬉しそう。
したたかな英国は、普段してはいけない事を民衆に与えると、とても喜ぶ事を知っています。
無料で食糧を与えるのも好感得るのに良い効果。
しかも来訪をガンダムに絡めて宣伝するなど日本人研究も万全です。
しかし私は、兵器に限らず専門教育を受けた人間が扱う道具や機械類を、それについて無知な人間に好き放題させるのはデメリットしか考えられず反対です
体験学習と称してボロボロの廃工場で子供を天井クレーンで遊ばせる地方自治体とかゾッとしますね。電源が生きていたら違法行為でもありますよ。
それはそれとして、滅茶スパルタンな雰囲気がTVドラマ「ラットパトロール」好きとしては素晴らしい。
勿論、バギーの類いより遥かに堅牢。
トラック等の改造ではなく専用設計車両です。
そして実は装甲はあって、地雷からの防御に対応しています。
車両の性格上、奇襲攻撃と高速を前提にしてるので通常の敵弾は脅威ではなく、地雷だけが防げないからって設計思想ですね。
上には何も無く下が装甲されてる車体は、軽量と低重心でより高機動が得られます。
因みにもう少し大型で六輪の「コヨーテ」(HMT600)って凄い車両も存在します。
それにしても拳銃、機関銃、対戦車ミサイルなど武器操作し放題(カラ撃ちも可)はどこも大行列です。
「ピンツガウアー716」中型トラック。
丁度そこに居た見知らぬソフトスキン好きのオッサンが海兵隊員に「Pinzgauer?」と質問したものの、通じなかったので隊内では別の呼び方してるかも知れません。
初対面ながら二人で「英軍形式名は何んでしょうね?」と暫く軍用トラック論議。
フォークリフトでさえ日本では見られないコンパクトホイールタイプで異世界感満点です。
左からピンツガウアー、ジャッカル(奥)、トレーラー、バイキング(手前)、ウルフ。
小型の上陸用舟艇「LCVP」。
船底端の下向き出っ張りは着底時に座りを良くするドッキングキール。
艇側面の小さい白ポツポツは防食亜鉛。
第二次大戦の時の物から基本構造は変わりませんが、ウオータージェット推進化されたり、操船所や兵員室がエンクローズされたり細かい改良はされてますね。
これでも一人前の英軍艦なので軍艦旗を掲げています。
兵員室の屋根は後ろにスライドさせて重ね、物資や車両輸送時に邪魔に成らない様にも出来る優れもの。
機関銃はベルギーFN社のMAGを国産化した「L7A2」。
「リジッドライダー(LRC)」、通称ギグと呼ばれる汎用ボート。
ウオータージェットのノズルはリバース(後進)状態が格納位置です。
海象条件が悪くても発進収容が出来るようにスカイフック型の複雑なクレーンで吊られます。
乗員の保全装備。
レスキュー関係装備品。
航空用小型消火器。
王国官給物を示すブロードアロー(↑マーク)発見

と小躍りしたら実際は使用方向を示す普通の矢印でした、ガガーリン。
うちに有る英軍装備(P37、P44、P58)にはこのマークがガシガシ付いているのです。
でもP58は新品だから手に入れた時期を考えると中古ではなく横流し品だった可能性が・・・
そういえば、英軍関係のコレクションで散々お世話に成ったサムズミリタリヤの店舗は閉店(通販は続行)だそうで、時代の流れを感じさせます。
ハンドラー。
トラクターが使えない空母以外の狭い飛行甲板でも遠隔操作でヘリの移動が出来る牽引装置。
見学客の休憩椅子と化してました。
気象観測用具群。
ウエイト(バーベル用?)
国際規格なのでポンドではなくキログラム表示なのが残念。
その向こうの機器アース接続表示にも注目。
カニ怪人(違)
自動車事故のレスキュー同様、艦上のダメージコントロールに当たります。
ダメージコントロール訓練教材。
艦の損傷非常事態時に応急素材を使って機能維持を図る方法を具体的に示した物です。
厨房で作られたスペシャルパイ。
海外派遣任務の艦は外交任務も重要で、艦内晩餐会に対応する為に軍属のシェフも乗艦しています。
厨房の隊員も一流の腕前で、長期航海の乗組員や海兵隊員の士気維持に貢献します。
因みに海軍士官(海上自衛隊含む)がフルコースを食べるのは、何も特権階級を誇示したいからではなく、外交任務(特に大使館や領事館の無い日本の外務省相当の職員の居ない地域で)に赴く任務があるから訓練の一部として必要なのです。
それでもグローバル化が進んだ21世紀の今日では必要性が薄れ、士官向けの豪華な食事は縮小、或いは廃止されてる海軍も多いですね。
さて、再び車両格納庫へ。
バーブすなわちBARV(ビーチ・アーマード・リカバリー・ビークル)、それにしてもデカイ
この車両のARV(RV)の部分だけ見て既存の「戦車回収車」とか「装軌車回収車」と同じに訳される方が居ますが全く間違いです。
英語で同じリカバリーでも、戦車回収車のリカバリーとこの車両のリカバリーは全く意味が違います。
適当な和訳は無いのですが(日本には存在しな為)、私は舟艇回収車と訳すのが適当かと思います。
上陸地点の海岸の水中にザブリと入り、スタックした上陸用舟艇や水陸両用車両を押したり引いたりして復帰させる(時には排除する)、ただそれだけが任務の漢らしい物体です
例えるなら水中ブルドーザー+タグボートの様なイメージですね。
なので普通に回収車で行う戦場で故障した戦車のエンジンを交換したりして復帰させる(リカバリー)、出前ガレージの機能は付いていません。
初代はシャーマン、次にセンチュリオンとBARVのベース車両は世代交代していましたが、恥ずかしながら現在のベース車両を知らなかったので、これを見るのが超楽しみだったのです
おやっ、全然英国っぽくありません
何かドイツ戦車の匂いがしますね・・・・
こっ、この車体はレオパルド�気犬磴覆い任垢�
Japanese hooch.って表情でこちらを見てる海兵隊員の表情が可笑しい。
転輪にはバネ下荷重を増す為にリング状ウエイトが追加されてます。
この種の車両は鉄道の機関車同様に適切な接地圧が必要なのです。
特に水中では浮力がかかる(空気にのみ浮力が働くと世間でよく誤解されてますが、鉄の塊にも体積分の浮力がちゃんと発生していて結果的に沈むだけです)ので荷重が不十分だとスリップして使えません。
かと言って重く成りすぎても軟弱地に沈んでしまうので、バネ下荷重を集中的に増すのが効果的対処法です。
スプロケットホイールは剛性強化タイプ。
ところで車両の名称ですが、BRV「ヒッポ」です。
BARVからA(装甲)の意味が取れてBRVなんですね。
車体はレオパルド�毅腺気覆里如�元々英国が試験的に購入したレオパルドとは別にドイツからBRV改造目的で調達した筈ですが、経緯は分かりません。
いずれにせよ、チーフテンやチャレンジャーでは車体が大き過ぎ、戦車以外は車体が軽過ぎるという事で、部品も手に入り易い適当な中古車でレオパルドに成ったのかと思われます。
因みにオランダ軍でも自国のレオパルドベースでBRVを製作していますが、ヒッポとは全く別物です(wikiの記述は間違い)
密閉された戦車の上にタグボートのキャビンや給排気塔が載ってる構造です。
ガラスが部厚いですが、防弾の為というより波浪に対抗する為だと思われます。
舟艇をドリャーと押す部分。
一見、トラックのラジエター部に見える部分はロッドのガードで、波消し効果も期待出来ます。
曳く使い方の為にシャックルも常備されてますね。
キャビンを囲む作業台のメッシュ構造も、同時に波消し効果を狙えます。
窓にはバックミラーがあって、タグボートというよりトラック的です。
キャビン後方には吸気塔が合体していますが、外側を向いてるので海水分離装置が内臓されてる筈です。
エンジンルーム上には排気・冷却塔が立ってます。
キャビンには後方にも窓が有るので、BARVの様に指揮官が波浪に曝される車上に立って命がけで任務に当たる必要は無くなりました。
まさにレオパルド�気世畔�かるお尻。
とにかくデカい。
動いてるとこを肉眼で見たいです。
他にも「CET」(戦闘工兵車)や「テリア」(施設作業車)が搭載されてないかな?と見回したんですが居ませんでした。
もう充分に見たかな〜って感じでしたが・・・
何でしょうか、このハンコ屋さんに有るような物体は?
謎は深まるばかりでございます(cv:鈴木健二アナ)
こうして「うらが」に乗艦する事も無くアルビオンに付きっ切りで一日が終わりました。
おしまい。
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