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2016年05月15日15:08

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グランドフィナーレ(Youth)


 


 アルプスの高級ホテルで休暇を楽しむ老境の元作曲家と仲のいい映画監督が、それぞれに問題を抱えたホテルの客たちと繰り広げる交流を描く人間ドラマ。『グレート・ビューティー/追憶のローマ』などのパオロ・ソレンティーノが監督を務め、深い人間洞察に富んだ物語を紡ぐ。イギリスの名優マイケル・ケインを主演に、ベテランのハーヴェイ・カイテルとジェーン・フォンダ、『ナイロビの蜂』などのレイチェル・ワイズ、『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』などのポール・ダノらがキャストに名を連ねる。(シネマトゥディより)









 これだけの俳優が出ているのに、上映館が少ないんですね。少し長い映画でしたが、なかなかに見応えのある、寓話的な仕上がりでした。

舞台はアルプスの高級リゾートホテル。滞在客は成功した人生、つまりは過去の栄光とお金をしっかり持った人たちということになります。豪華すぎる施設に充分過ぎる若いスタッフたち。広大な庭や常備されたマッサージにエステ、温水プール、はたまたプロによる夜ごとのミニコンサートなど、およそ私たちが思いつく限りの贅が尽くされています。いったいどれだけのお金を払えばこんなホテルに長々と滞在できるのかと、あまりな非現実性に頭がクラクラします。ここは天国でしょうか。

主人公は指揮者として世界的名声を得、今は引退している音楽家マイケル・ケインと、その親友の映画監督ハーベイ・カイテルです。ハーベイ、久しぶり!他の宿泊客は、過去の当たり役からの脱却に悩む俳優ポール・ダノ(次回作の役作りに来ている)、マイケルの娘レイチェル・ワイズ、チベットの修行僧、今は巨漢なマラドーナ(多分そっくりさん)、ミス・ユニバースなど。親に連れられているのか、子供もいます。いいなぁ〜(笑)。

そして、そのみんなが密接に絡むわけでもなんでもありません。マラドーナは「点」のようにマラドーナだし、ミス・ユニバースが誰かと会話し恋に落ちるわけでもありません。みんなの話はあくまで個々に存在し、絡むのは音楽家と映画監督、その娘くらいです。

お話のメインは、イギリス女王からの使者がマイケルに「ある記念行事で指揮して欲しいと女王がお望みなのだが」とお願いに来る・・・これだけのことです。彼は頑として断ります。何度お願いしても変わりません。でも、使者も「そうですか」と引き下がるわけにもいかないのです。どうしましょう。

というのがメインなのですが、映画を見ていると「はて、ストーリーはなんだったかな」と思うほど他の人たちの話がボツボツと入ります。若いスタッフと斬新な映画を作ろうと試みているハーベイや、離婚されちゃったレイチェル、「彼女のどこが悪かったと言うのだ」と息子を呼びつけるハーベイ(実は彼の息子とマイケルの娘が婚姻していた)、その息子の新しい彼女(色気ムンムン)、ずっと空中浮遊にチェレンジしている修行僧、片時も酸素ボンベ)(?)が手放せないマラドーナ、へたくそなバイオリンを練習している少年・・・そんな話が、広大な庭を散策しながら、あるいは温泉に浸かりながら、はたまた日光浴をしながら、進行します。

なんという寓話でしょう。これはもう、パオロ・ソレンティーノ監督でしかあり得ない(と思う)。哲学的な会話も飛び交います。ポールの「次の役作り」も時に後ずさりするようなものだったりします。そしてラスト近くに登場するジェーン・フォンダ!なんなのでしょう。

私、お金も名声もないけど、ここに行ってみたい。多分全財産を一日で消費することになると思うけど、行ってみたい。と同時に、パオロ監督の他の映画も是非見ようと思いました。

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