1週間の出張を終えて帰った翌朝、
ゆっくり色を変えていく空を眺めながら、ふと昔のことを思い返した。
若い頃は、夫婦ってもっと“気持ちがひとつ”でいられるものだと思っていた。
同じ方向を見て、同じ温度で、同じ速さで歩いていくものだと。
けれど、気づけば結婚して何十年。
恋のドキドキは、いつの間にか静かな安心感へと形を変えていた。
無理に近づこうとしなくても、そばにいるだけで落ち着く距離がある。
その距離が、いつの間にかふたりの「ちょうどいい」に育っていた。
最近ネットニュースで、
“結婚生活では恋愛感情より安心感が大事になってくる”
という調査結果を見た。
なるほどなぁ、と妙に納得した。
歳を重ねるほど、心の静けさのほうがありがたくなる。
同じ部屋で別々のことをしていても、その沈黙が心地よい日が増えた。
若い頃には気づけなかった“夫婦の距離感”が、今はやっとわかる気がする。
今日も空を見ながら思った。
恋の熱は静かになっても、
その静けさの中に、ちゃんと愛は残っている。
年齢を重ねたからこそ見える景色が、たしかにある。
その景色を、これからもゆっくり味わっていきたい。
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