上杉謙信が主人公となった大河ドラマは、『天と地と』だけです。
石坂浩二さん主演です。今、なかったとされている、武田信玄との一騎打ちも描かれています。
これが表題の「必要なウソ」です。
史実ではなさそうですが、人口に膾炙した(誰もが知っている)エピソードであり、勇壮な謙信像をよく語ってくれるエピソードだからです。
長い間、人々が培った謙信像 A
史実の謙信 B
のうち、Aを描くべきだという考えがあってもいいと思います。
しかし、脚本家の思いつきは、描いてはいけません。
武田信玄(高嶋政伸さんが髭を生やしてツルッパゲで登場。大物感が漂いリアルです。)が、餅を喉に詰まらせて死亡とは…思いつきもいいところです。もちろん、AでもBでもありません。
思い付きとリアルさが混在するのは、長曾我部元親。
明智光秀が約束を破った信長との板挟みになり、本能寺の変の遠因になった…という説は学会でもあるそうです。
ところが、能を舞って登場して派手な着物を着たまま信長の隣に座るというのは、上のAでもBでもありません。
元親は姫若子と呼ばれましたが、色白で部屋にこもって外に出なかったからです。しかも初陣前の若い時の話です。肖像画がありますが、極めて男性的です。
また、Aにはなはだしく反するのは、
宮崎あおい さんの、お市の方
お市の方は戦国第一の美女。かわいらしくても美人ではない人に務まりません。しかも、実年齢40とは…
似合う人は、今まで演じた人でいうと、鈴木保奈美や北川景子でしょう。
お市の方は、なぜ美人かというと、当時の女性として、大変な常識人だからです。
だから、最初の夫、浅井長政と睦まじく、また再婚した柴田勝家と生死を共にしたのでしょう。
人は、キリッとすることがなかなかできません。
当然のことであり、この世は全てがグレー。真っ白や真っ黒はありません。
進路が真っ白だと思ってそこに徹する。そういうことがキリっとすることです。そのメンタリティが容姿に現れた美女。それこそがお市の方だと思います。
なぜ、こんなことになるのか。なぜ、ありもしない話を付け加えたり、ありえないキャスティングをするのか。
一言で言うと我欲です。
高輪ゲートウェイや東京桜トラムと同じ。
俺が、俺が…
それだけです。
詳しい話は忘れました。ある経営者が、「リボンがあった方がかわいい」と、勝手にリボンをつけてイメージを台無しにするデザイナーがいるが、そいつのエゴだ。と述べていました。元の話をご存じの方は教えてください。
今、そんなのばかりが巷にあふれています。
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