「アギーレ/神の怒り」Aguirre, der Zorn Gottes。1972・西独ヘルツォークプロ/ヘッセン放送/墨/秘・35mm。監脚:ヴェルナー・ヘルツォーク。撮:トーマス・マウホ、フランシスコ・ジョアン、オーランド・マッキャヴェッロ。編:ベアテ・マインカ=イェリングハウス。
特技:ミゲル・ヴァスケス。音:ポポル・ヴー。出:クラウス・キンスキー、ヘレナ・ロホ、ルイ・グエッラ、セシリア・リベーラ、デル・ネグロ、ペーター・ベルリング、ダニエル・アデス、エドワード・ローランド、アルマンド・ポラナ、アレハンドロ・レプージェス、フスト・ゴンザレス、アレクサンドラ・チェヴス。
1560年代、南米コンキスタドール(征服者)である主人公を始め主要キャラクターは実在した人物ですが、お話自体はエンタメとして史実から大幅に変更されてます。題名は主人公の名と自ら名乗った称号。余談ながら主人公を演じたクラウス・キンスキーは私的にナスターシャ・キンスキーの毒父という認識。
オープニングでアンデスの急峻を往くスペイン軍勢とインディオ奴隷の延々と続く行列でイキナリ度肝を抜かれてしまいます。アマゾン上流の急流や一転して中流の停滞感も見物。しかしキンスキーの狂演をはじめ主要人物はスペイン人というよりゲルマン征服者を連想し、独近代史の比喩的風刺にも思えます。
砲弾の着弾で爆発火災が起きたりしますが当時はまだ榴弾が無く弾は鉄の塊で、また弾と火薬の装填シーンも無く発砲時の反動も無い大道具である事から画面演出上の意図的表現だと思われます。どのシーンも難所ばかりなので、本当に死人が出る状況に感じて映画と分かっていても精神がクタクタです。
オールロケはペルーにて。山中がマチュピチュで有名なワイナ・ピチュの山道、アマゾン川がウカヤリ県だそうです。どちらも近代的な道路は無い事から、実際に撮影機材や生活用品や食料は人力で運ばれ、劇中の行軍シーンの荷物には本当にこれらの物資が入っていたそう。CGIでは無い生の映像が凄過ぎる。
「フィツカラルド」Fitzcarraldo。1982・西独ヘルツォークプロ/フェアラーク/ZDF/秘ワイルドライフ・35mmアメリカンビスタ独西伊語。監脚:ヴェルナー・ヘルツォーク。撮:トーマス・マウホ。編:ベアテ・マインカ=イェリングハウス。衣:ギーゼラ・ストーチ。
美:ヘニング・フォン・ギールケ、ウルリッヒ・バーグフェルダー。特技:フヴェルナル・エレミッチェラ、ミゲル・ヴァスケス。音:ポポル・ヴー。出:クラウス・キンスキー、クラウディア・カルディナーレ、ホセ・レーゴイ、パウル・ヒットシェル、ミゲル・アンヘル・フエンテス、
ウェレケケ・エンリケ・ボホルケス、グランデ・オテロ、ペーター・ベルリング、ダビッド・ペレス・エスピノサ、ミルトン・ナシメント、ルイ・ポラナ、サルバドール・ゴディネス、ディーター・ミルツ、レオンシオ・ブエノ、ビル・ローズ、コスタンテ・モレ、ジャン・クロード・ドレフュス。
再びペルーのアマゾン川流域を舞台にした作品で、主演も同じ。主人公のモデルはペルーで『ゴム王』と呼ばれたカルロス・フィッツカラルドで、実際映画と同じアイディアを実行(ただし蒸気船は分解して輸送。残骸が現存)しました。奇想天外なアイディアに思えますが、実はドイツでは一般的な事であり、
現代でも船を黒海側に輸出する際に巨大トレーラーに積載して山を越えます。日本の例では京都の蹴上に琵琶湖疎水の高低差をクリアする為の河舟用インクラインが産業遺産として保存されてます。ロケによる撮影はフリードキン版「恐怖の報酬」同様に、現代のCGI映像と違い
実際に行ってるライブ映像である点が迫力などという文言では全然足りない説得力満点の映像が超凄い。勿論、お話全体も面白過ぎて2時間半超えがアッという間に過ぎてしまいます。一方で、辺境のオールロケや過酷な撮影、キンスキーの性格などに起因するトラブル続きで、当初の主役格三人、ジェイソン・ロバーズ、
マリオ・アドルフ、ミック・ジャガー!!!が撮影半分程で脱落(代役打診を断られ続けた末にキンスキーを起用)。インディオのエキストラは当初アグルーナ族でしたが揉めてオープンセットを焼き払い喧嘩別れ、マチゲンガ族に交代しました。危険な撮影で死者が出たというのは「マッド・マックス」同様に俗説で、
負傷に尾鰭が付いた噂です。ロケ地は実際に設定通りペルーのイキトスとブラジルのマナウス、一方急流はポンゴ・デ・マイニケ、地峡はウルバンバ川とカミセア川の間だそうです。オタク的には中古河川蒸気船をレストアするシーンが鼻血もので、プロペラは実際に鋳造を行ってますね。武器は英軍の放出品と推定。
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