『久里洋二 短篇アニメーション作品集』。年代的にはTVで「鉄腕アトム」がスタートし、まだアニメ文化が確立せず、子供向けテレビ漫画・漫画映画が最盛期を迎える頃までの『国際アニメーション映画祭受賞作』作品群です。製作は『久里実験漫画工房』で、その名の通り尖った実験作が連なります。
「人間動物園」1961、「LOVE(愛)」1963、「THE BUTTON(ザ・ボタン)」1964、「アオス/AOS」1964、「SAMURAI/侍」1965、「FLOWER(花)」1967、「The ROOM(部屋)」1967、「WHAT DO YOU THINK?/あなたは何を考えているの?」1967、
「AU FOU!(オー・フー!/殺人狂時代)[カラー版]」1967、「二匹のサンマ[カラー版]」1968、「THE MIDNIGHT PARASITES/寄生虫の一夜」1972、「LIVING ON THE BOUGHS(木の上の生活)」1974、「POP(ポップ)」1974、「MANGA(漫画)」1977、
監撮ア:久里洋二、動画:古川肇郁、林政道、佐々木一恵。詩:谷川俊太郎。撮:古城紀久子、乃村知子、古川タク。音:武満徹、一柳慧、山崎宏、山上路夫、冨田勲。声:水島弘、岸田今日子、小野洋子。。音楽も声も錚々たる顔ぶれですね。「寄生虫の一夜」だけ他と作風が違い、ブリューゲルの銅版画を動かす試みだったと思います。
「いれずみ半太郎」1963・東映京都・35mm東映スコープ。監:マキノ雅弘。原:長谷川伸『刺青奇偶(戯曲)』。脚:野上竜雄。撮:吉田貞次。美:鈴木孝俊。音:斎藤一郎。出:大川橋藏、丘さとみ、長門裕之、進藤英太郎、立川さゆり、千之赫子、河原崎長一郎、原健策、徳大寺伸、夏川静枝、阿部九州男、多々良純。
邦画全盛期の作品だけに出演者は勿論、レンズの手前側に居るスタッフの気迫まで伝わって来るのが凄いです。映画界ばかりでなく翌年にオリンピックを控え日本全体が行動力満点の時代感ですね。ロケは二宮でしょうか。MXTVで再放送中の「銭形平次」は800回の辺りで比較するのも面白いです。
「生贄夫人」1974・日活・35mm日活スコープ。監:小沼勝。脚:田中陽造。撮:森勝。編:鍋島惇。美:土屋伊豆夫。音:月見里太一。出:谷ナオミ、坂本長利、東てる美、影山英俊、中平哲仟、高山千草、小見山玉樹、庄司三郎、谷文太。
所謂『日活ロマンポルノ』のSM第二弾。とはいえポルノは邦画衰退期の方便で、映像表現に徹した姿勢は荒縄の縛りでさえ芸術的です。ロケ地は他作品でもしばしば使われる奥多摩。現在では国際的に禁止されてる表現もあって、ロケ地や大小道具など含め歴史記録でもあります。
「さすらいの恋人 眩暈」1978・日活(ロマンポルノ)・35mm日活スコープ。監:小沼勝。脚:大工原正泰。撮:森勝。美:川船夏夫。音:真田勉。出:小川恵、坂本長利、飛鳥裕子、北見敏之、高橋明、吉川遊土、大矢甫、草薙良一、中川明。。ヌーベルバーグと言えば聞こえは良いが、一番近いのは松本零士の四畳半ものな内容です。
新宿中央公園の凍った池ロケで小川恵は凍傷にかかったそう。現在再開発中で地形から失われた渋谷桜ヶ丘や神泉と思われる景観も記録として貴重。新宿・渋谷駅も劇中とは姿を変えつつあり。人の居ない鎌倉や葉山も驚き。ラストのビル屋上は眼下に朝潮水門が見える事から勝鬨四丁目の倉庫(現パークタワー勝どきサウス)と推定。
「妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…」1980・にっかつ・35mm日活スコープ。監:小沼勝。脚:小水一男。撮:森勝。美:菊川芳江。音:甲斐八郎。出:風祭ゆき、高原リカ、佐々木美子、宇南山宏、錆堂連、草薙良一、佐藤秀美、川島祐介、荻原徹也、池田光隆。。バブルへ一直線に向かう時代の三崎口〜油壺〜葉山地域の成金感。
「見せたがる女」1981・にっかつ・35mm日活スコープ。監:小沼勝。脚:三井優。撮:水野尾信正。美:柳生一夫。音:甲斐八郎。出:風間舞子、志麻いづみ、沼田爆、北原理絵、高原リカ、平光琢也、吉原正皓。。過剰なドタバタギャグの連続で、好景気で狂った80年代の典型のような作品に思えます。
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ロケは小田急玉川学園前駅の近くの『藤の台団地』でバス停の『藤の台東』の光景は現在も撮影当時そのままです。旧デザインの神奈川中央交通バス(ただしロケ地は東京都町田市)も原体験世代には懐かしい感じ。
https://www.nfaj.go.jp/film-program/yukeru202512/
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