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2026年05月05日22:07

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研修医時代に

ワシの時代はストレート研修(ワシは産婦人科)が普通だったが、
外科系は麻酔科研修をすることができた。
麻酔科を回るとまずやるのは「術前回診」。
手術前の患者さんを訪問して軽く病歴を聞き、検査データをチェックする。
その日、ワシが術前回診したのは眼科で、翌日に白内障手術を控えていた患者さん。
データ的にはちょっと血圧が高いが内服もしていないくらい。
ただ、胸部レントゲンを見て「なんだか変」と思った。
そのまま麻酔科に持っていって部長に見せた。
部長は「ああ」と言って「胸部外科が手術してる部屋に行って見せてきて」と言った。
すぐに胸部外科の部屋に行って、壁のシャーカステンに写真を張った。
「眼科入院患者、明日白内障手術予定です」と言いながら。
術野からちょっと顔を上げて写真を見た胸部外科部長はいやーな顔をして
「眼科に連絡して手術中止、明日胸部外科外来に出せ、って伝えて」と言った。
その患者さんは翌日外来受診してそのまま胸部外科に転科入院し、
1ヶ月後に胸部の血管置換術を受けた。

ワシが見た写真は「中央陰影」がものすごく広がっていた。
疾患名は「胸部大動脈瘤」。
心臓から出て体に向かう大血管である胸部大動脈の付け根から
でかい動脈瘤ができていて、今にも破裂しそうになっている状態だった。
あとで気づいてぞっとした。
ワシがその患者さんとお話ししている間にも、破裂する可能性があった。

これこの通り。
大動脈瘤は、破裂するまで何の症状も起きない場合がある。
少なくても「これがあったら大動脈瘤」というような自覚症状はない。
一番多いのはおそらく「破裂してはじめてわかる」ではなかろうか。
治療が間に合って助かる場合もあるが、そうでない場合のほうが多い。
その次くらいに多いのが「他疾患検査時に偶然見つかる」で、ワシの経験がこれ。
この記事になったトラック運転手さんも、一般的な健康診断では
「ちょっと血圧が高い」くらいしか所見がなかった可能性がある。

ちなみに、ワシが経験した患者さんは無事に血管置換術を終え、
半年後に白内障手術も受けることができた、と聞いた。


■運転手は病気で意識失ったか トラックが自動車整備会社に突っ込む事故 運転手の男性(51)死亡 栃木・足利市
(TBS NEWS DIG - 05月05日 20:38)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8774855
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