https://www.nfaj.go.jp/film-program/yukeru202512/
「狂熱の果て」1961・大宝/佐川プロ・白黒35mm東宝スコープ。監:山際永三。原出:秋本マサミ。脚:山田健。撮:岡田公直。美:宮沢計次。音:林光、萩原秀樹。出:星輝美、松原緑郎、藤木孝、奈良あけみ、柏木優子、鳴門洋二、沢村みつ子、利根はる恵、中岡慎太郎、大谷くにお、橘恵子、渚三枝、中野恭子、高島政雄。
正直、これをヌーヴェル・ヴァーグと言われても困る。驚く程につまらないし何も伝わってこない。良い点が何一つ感じられない消化試合みたいな作品。そりゃ大宝は4ヵ月で倒産するよねって感じです。邦画全盛期とはいえ、ただ仕事してるだけ、映してるだけでは駄作しか生まれない事がよく分かります。
メインのスポーツカーは『MG-A』でメキシコの英雄【エル・サント】が主演映画で乗ってるのと同じ型の車(だからどうした)。ランナバウト(モーターボート)はオーダーメイドと推定。唯一の見所はロケによる当時の風景で、六本木や葉山といった富裕層が集まる地域です。高速道路っぽいのは一級国道16号か第二京浜と推定。海岸の通りは戦前からロケの定番、神奈川県道鎌倉三崎線(現国道134号)。線路は横須賀線衣笠駅の横須賀駅側付近と思われます。
「ハイティーンやくざ」1962・日活・白黒35mm日活スコープ。監:鈴木清順。脚:吉(土口)村望、奥園守。撮:萩原憲治。照:熊谷秀夫。録:太田六敏。編:鈴木晄。美:千葉和彦。音:伊部晴美。主題歌『いかれちゃった』詞:滝田順。挿入歌『恋がしたいの』詞:香山涼一。技斗:渡井嘉久雄。
出:川地民夫、田代みどり、杉山俊夫、佐野浅夫、松尾嘉代、 初井言榮、松本典子、山田禅二、�睇奮福¬擶才せ亜⊂緻郢蓋�一、市村博、柳瀬志朗、亀山靖博、原恵子、小泉郁之助、雨宮節子、戸波志朗、林茂朗、榎木兵衛、山元正明、久松洪介、横田陽子、土田義男。伊達満。
ノワール的な展開ながら都度陽転させる様は高度経済成長とリンクしており明るい将来像を持った日本と、絶望感の無い(大きな悩みはあり例え間違っていると理解はしていても乗り越えようと努力する)若者像が、現代の実績も無しにプライドだけ高く、努力せず都合の良い結果だけ要求する同年齢層と180度逆で興味深いです。
ロケはネット上では大田区とされてますが地形が全く合致せず、日活広報に港区三田や大田区多摩川土手と書かれているのを検証無しにダルマ落しして引用、それを続く者が孫引きコピペして広まったと思われます。画面内から読み取れる看板地名は『向ヶ丘』『日吉』(バス停も映るものの地名表示を失念)で、
前者シーンは小田急線ツートン車両、後者は『東急5000系』が映り、風景も合致する事からもその近隣で撮られたと思われます。多摩川土手は大田ではなく調布の日活撮影所前と推定。メインとなる景観の団地は川崎市高石(現百合丘三丁目)の公団『百合丘団地』(現在は再開発により『パークシティ新百合ヶ丘ガーデン』
の位置)、商店街は百合丘駅前、小川は『真福寺川』など百合丘周辺の撮影当時の写真と比べると全く以って合致する景観で、喫茶店なども開発中の同地に実際の建築に混ぜてオープンセットを組んだと思われます。主題歌が後の山本リンダの歌唱にソックリで興味深い。タイアップスポンサーは現在もある『チモトコーヒー』。
「若い季節」1962・東宝/渡辺プロ・35mm東宝スコープ。監:古沢憲吾。原:小野田勇。脚:田波靖男。撮:飯村正。美:小川一男。音:中村八大、宮川泰。主題歌『若い季節』曲:桜井順・詞:永六輔・歌:出演者合唱(オリジナルはザ・ピーナッツ)。出:淡路恵子、植木等、ハナ肇、谷啓、団令子、浜美枝、藤山陽子、
坂本九、ジェリー藤尾、有島一郎、佐原健二、松村達雄、平田昭彦、若林映子、中真千子、犬塚弘、青島幸男、古今亭志ん朝、ダニー飯田とパラダイス・キング。。NHKの人気番組の総天然色映画版でとにかく何もかも豪華。出演者やストーリー的にほぼ「無責任シリーズ」と同じながら本作は含まれません。見所が多過ぎ、
例えば坂本九と植木等がそれぞれの持ち歌の『上を向いて歩こう』と『ドント節』を交換して歌うなど余りにも過剰演出。なお書籍やネット上では本作をミュージカルのカテゴリーに入れてますが、歌って踊るシーン多数でもミュージカルとは言い難いと思います。そうしたエンタメな内容と成功譚は現代のインド娯楽映画に
ソックリで、邦画全盛期のサービス精神は現代邦画界ではなくインド映画が受け継いでると感じます。劇中の台詞で登場する女子社員を示す『BG』は後に使用禁止用語と成り、現在では『OL』と呼称します。『カスタムデラックス』『フェアレーン』『サンダーバード』などフォード車が多数登場しタイアップと推定。
旅客機は『パンナム』のボーイング707ですが在り物映像。デパート屋上は『浅草松屋』かと。プランタン化粧品本社正面は『大和証券本店』、屋上は戦災による二階建て時代の東京駅と『東京中央郵便局(現KITTE)』が見える角度から『丸ノ内ビルヂング(現丸の内ビルディング)』の可能性が高いです。
多摩川工場は『東京製綱』(現河原町団地)と推定。箱根の道路は映画公開半年前に開通した箱根新道(国道1号バイバス)らしく宣伝タイアップと思われます。チラリと映る建物は旧『箱根レイクホテル』ですね。最後は東宝エンタメ大団円の定番『赤坂プリンスホテル』(現東京ガーデンテラス紀尾井町)旧館正面。
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