朝、出勤のため家を出る時のこと。
外のポストから取ってきた郵便物を、会社から帰ってから読もうと靴箱上の端に置いた。
私は、急ぎでなければ夜にゆっくり見たい「熟成の放置派」だ。
仕事を終え会社から帰ると、靴箱の横にいた妻が即座に声を上げた。
「ちょっと、これ出しっぱなしにしないで。見ていらないものはずぐ捨てとってよ」
私の「情報の寝かせ時」は、妻には「不要な紙ゴミの蓄積」としか映らないらしい。
妻は「即断即決の開封派」。私は「余裕をもった後回し派」。
靴箱の数通の封筒が、夜の玄関に静かな冷気を生んでいる。
夫婦の平和のためには、自分のペースより、情報の「鮮度と廃棄」を優先するのが正解らしい。
次の日。帰宅すると、靴箱の上は観葉植物とオブジェで隙間なく埋め尽くされていた。
妻のドヤ顔が目に浮かぶ完璧な物理ブロックに、私はただ苦笑いするしかなかった….
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