ピアノ曲をあまり聴かないため、ピアニストもあまり知らないみっち、マグダ・タリアフェロ(1893-1986)も全然知りませんでした。じゃあどうして買ったかというと、ネット通販のポイント有効期限がそろそろ切れるころではないか、催促される前になにか1枚と物色したところ、たまたま売れ残りセールみたいなコーナーにこれを見つけたのでした。ヘソ曲がりなみっちはジャケ買いならぬジャケ買わない派? CDジャケットの例えばアーティストのドヤ顔アップなどが嫌いで、それだけで「やーめた」ってなりかねない不届き者ですが、その点この無愛想2枚組は合格(爆)。一応下調べしたところ、なんとこの人、パリ音楽院在学中に院長だったフォーレに気に入られていたというではありませんか。どんな演奏をするのかがぜん興味が湧きましてf^^;。
CDは1枚目が1960年と1972年のステレオ録音で、2枚目が1951年と1954年のモノラル録音でまとめられているようです。で、1枚目のファリャ、グラナドス、アルベニス、ヴィラ=ロボスにうっとり、陶然となりました。全体に軽めの響きですが繊細なタッチで、滑らかな運指が生み出すニュアンスが素晴らしい。これに似たタイプで思い出したのはイヴォンヌ・ルフェビュール(1898-1986)で、タリアフェロと世代がほぼ同じ。でもルフェビュールはときに力強いというか悪くいうとガチャつく場合もあるのに、タリアフェロはどこまでも上品で透明感を保っている印象。
ここではグラナドスの3曲を取り上げてみます。というのは、この3曲はラローチャのCDで持っていて比較できるから。まずは収録タイム表示。
・La jeune fille et le rossignol Tagliaferro:5.26 Larrocha:6.37
・Andaruza Tagliaferro:3.29 Larrocha:4.12
・Oriental Tagliaferro:5.10 Larrocha:4.39
最初の「少女とナイチンゲール」あるいは「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」は『ゴイェスカス』の4曲目で、実はラローチャ盤で聴いたときはいい曲のようだがよくわからんf^^;、で終わってました。本場ものということもあってか、崩しが激しい。一方、タリアフェロにはその美しさに魅了されました。きれいな分散和音で駆け上がるときの色気とか、すごい。いまどきこんなこと書いていいのか怖いけど。
「アンダルーサ」は『スペイン舞曲集』の5曲目。チェロでこの曲に挑戦してピアノのリズムがわからず大苦戦した覚えがf^^;。タリアフェロは正統派というか、多少の崩しはあっても造形を損なわない程度でかっこいい。ラローチャは思い切りクセ強系でこんな曲なの?と思うほど。ホンモノはラローチャなのかもしれませんが、ニセモノがいいです(爆)。
「オリエンタル」は『スペイン舞曲集』の2曲目。在りし日のイスラムの美しい姫君を追慕するようなノスタルジックで哀切な音楽で、アンダルーサより知られてもいいんじゃ?と思うほど。タリアフェロは耽美的といっていいタッチで一種のレクイエム的に描いています。それに比べると、ラローチャが駆け足なのはなぜ? ネットで楽譜を調べたところ、どうやらアンダンテのものとアレグレットのものがあるようです。ということは、タリアフェロがアンダンテ派でラローチャがアレグレット派?
2枚目には作曲者のヴィラ=ロボス自身がフランス国立放送管弦楽団を指揮した Momoprecoce という協奏的作品が聴きもの。ただしモノラル。その後のモンポウ、ドビュッシー「月の光」もよかった。ただショパンとシューマンはほかの曲ほどには感心しませんでした。
ログインしてコメントを確認・投稿する