【平成の名力士列伝:海鵬】「小よく大を制す」を体現した真っ向勝負の技能派力士
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大相撲十一月場所十日目、ここまで唯一全勝で賜杯レースを主導していた横綱大の里が初顔合わせの東前頭五枚目草野改め義ノ富士の押し出しに屈して一敗に後退、一敗で追走していた関脇安青錦が東前頭四枚目玉鷲を低い当たりから前褌を取っての寄り切りに退けたため、賜杯レースの構図は横綱大の里と関脇安青錦が一敗で先導する展開に変わりました。
さて、今日の大の里、相手は昨日初の横綱戦だった豊昇龍に立ち合い押し込みながら豊昇龍の往なしに崩され、送り投げに屈する悔しい黒星を喫した義ノ富士。昨日の黒星がよほど悔しかったか、気合いも横綱を上回る仕切り。そして、義ノ富士が左を差す鋭い立ち合いに対応できず、不用意に引いて後退、義ノ富士の押し出しに屈して勝負あり。支度部屋の義ノ富士は「自分の相撲が取れて、結果、金星という形になって良かったです。少し右の方にずれて、左を差しやすくした。はじかれたので、もう1回狙って入った感じ。あとは覚えてないです。勝った後の歓声はすごかったです」とコメントしたようですが、大関時代からNHK解説の元大関琴風が口にしていた「毒饅頭」で墓穴を掘った一番と言えるでしょう。ここまでの勝った9番のうちにも引き技があった訳で、好調に見えてもどこか“死角”がありそうな感じのあった大の里であり、八角理事長(第61代横綱北勝海)も「悪い癖が出てしまった。圧力があるから引いてしまった。痛い負け」と指摘しており、これが今日の一番に出たかと思います。
こうなると、結びの一番に上がる横綱豊昇龍としては、目の前で大の里が敗れて星一つ差となり、ここで負ける訳にはいかないところ。西前頭四枚目の欧勝馬を下手投げて制し、勝ち越しを決めました。明日は、大の里は今日負け越しが決まった小結隆の勝、豊昇龍は関脇王鵬、安青錦は今日大の里から金星の義ノ富士と対戦します。
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