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2025年07月09日19:29

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蘭奢待・・・

 奈良の東大寺の正倉院に伝わる宝物で
 蘭奢待(らんじゃたい)と呼ばれる香木があります。
 この名前の中に「東大寺」がそれぞれ入っている事から、
 付けられた名前のようです。
 蘭の字の東、奢の字の大、待の寺ですね。

 宮内庁正倉院事務所は2024年度、自然に落ちた欠片を用いて、
 蘭奢待と呼ばれる「黄熟香」の
 組織の観察や、年代測定などの調査した結果がニュースに出ていました。
 その結果、蘭奢待となった木は、東南アジア特有のジンチョウゲ科の樹木で、
 8世紀後半から9世紀末ごろまでに、
 倒れたり切り倒されたりしたと考えられるということです。
 蘭奢待は、これまで、所蔵の経緯についての記録がなく、
 理由について、研究者の中では、752年の東大寺の大仏開眼会の際に
 持ち込まれた多くの珍しい品の中に紛れ目立たなかったから、
 という考え方がありましたが、
 今回の調査結果から、蘭奢待は大仏開眼会よりも新しい年代のものだとわかり、
 正倉院事務所の中村力也保存課長は、
 「何があってこれほどの物が入ってきたのか謎が深まった」と話しているとの事です。

 また、香料の専門家らが、香り成分を分析したところ、
 「ラブダナム」という香料に似た香りが最も強く、
 他にもカラメルやアニスのような甘い香り、
 セダーウッドなどに似たスパイシーな香りが検出されました。
 香木の香りは、年月の経過とともに薄れていくもので、
 正倉院事務所の飯田剛彦所長らによりますと、現在の蘭奢待には、
 「鼻を近づけるとほんのり香る程度」しか残っていないということです。

 僕は、2019年11月1日に、東京国立博物館で開催された
 「正倉院の世界展」で、この蘭奢待を見ました。
 蘭奢待は長さ156cm 重さ11.6kgです。
 香道が盛んになった室町時代以降、
 この蘭奢待を切り取った人の名前の付箋が貼ってあります。
 ここに名前が出ているのが、足利義政、織田信長、明治天皇の3人です。
 信長も、自分だけではきまりが悪かったのでしょう、
 一片は正親町天皇に献上されたようです。
 信長は、他にも自分を診てくれた、
 医聖と呼ばれた名医曲直瀬道三にも下賜したとの話もあります。

 香りの成分は分かりましたが、実際にどのような香りなのかは分かりません。
 今回の調査結果をもとに香りを再現したそうで、
 大阪市中央区の大阪歴史博物館に展示され、実際に嗅ぐことができるということです。


【今日の一句】
 公民館 高齢者たちの 出会いの場


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