南雲 明
隣のテーブルにおった外国の人らが、こんな会話しとってん。
「ええか、日本人をホンマに怒らせたかったらな、まず1週間、激マズのメシ食わせとけ」
「それで怒るんか?」
「怒る怒る。ほんで、そっからが怖いねん」
「なんやねん?」
「そのマズい料理、いつの間にかめちゃウマに改造してきよんねん。しかもちゃっかりレシピにして売ってる」
聞いてるだけで、笑い堪えるの必死やったわ。
どんな食への執念やねん!
その例がこれや!
最初に出されたのが、なんか白いおかゆみたいなんに謎のピンクソースかかってる料理やってん。
見た瞬間「え、これ災害時の支給品ちゃうん?」って思うレベル。
そしたら横の日本人、ひと言も文句言わんと、ポケットからふりかけ出してふりかけて、
「おっ、リゾットって思えばイケるな」って自分に言い聞かせて食べ始めてやんの。
しかも次の日には、謎のピンクソースを煮詰めて和風ソースに変えて、ごはんに乗せて「新感覚ロコモコ丼」とか名付けて、周囲に勧めてんねん。
ほんま、なんでやねん!って言いながら、わたしもちょっと食べたら…ウマかった。悔しい!
その例がまたこれや!
昔、給食で出てたアレな。
なんや異様にパサパサしてて、水分持ってかれる謎のコッペパン。
あれ、口の中でモソモソしすぎて、喉の奥で詰まったやつおったもん。
「食パン界の砂漠」とか言われてた。
そやのに、ある日クラスの地味めの男子が「家でリベンジしてみた」っちゅうて、そのパンを薄く切って、オーブンで焼いて、バターと砂糖まぶして持ってきよってん。
「なにこれ…ラスクやん…」
「てか、普通にウマいやん…!」
もう、あの日からその子「ラスク仙人」って呼ばれてたわ。
ほんま、日本人って「まずいもの」で遊び始めたら、最後にはグルメに進化させてくるんやなって思う。
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